駐ウクライナ米国大使に関する検事総長の発言、米国務省が否定

アメリカ合衆国国務省は、ウクライナのユーリー・ルツェンコ検事総長が、マリー・ヨヴァノヴィチ駐ウクライナ米国大使が同検事総長にあたかも「起訴しないように」要請する人物のリストを渡したと発言したことに関し、事実に反するとして否定した。

21日、ウクラインシカ・プラウダ通信の問い合わせに対して、米国務省が返答した

国務省は、「ヨヴァノヴィチ大使は、ウクライナにおいてアメリカ合衆国大統領を代表しており、アメリカは同大使と彼女の発言を支持している。ウクライナ検事総長の発言は事実に反しており、ヨヴァノヴィチ大使の評判に泥を塗ることを目的としている」と返答した。

また、国務省は、類似の断罪発言は「汚職に手をつける者のみが得する行為だ」と指摘した。

国務省は、「ウクライナは、アメリカ同様、自由な報道のある自由な国である。政治家、専門家、マスメディアは、自らの考えを表現する権利がある。それは、政治プロセスの一部である。しかし、それはそれら表現が常に正しいことは意味しない」と言及した。

その上で、国務省は、ヨヴァノヴィチ大使に対するこのような「攻撃」は「ウクライナの汚職の闘いを支援しようとするアメリカの意思を倍化させるものだ」と指摘した。

国務省は、「私たちは、尊厳の革命(編集注:マイダン革命)時にウクライナの人々が定めた改革を実行することの必要性を常に強調してきた。ウクライナの長期的な成功と安定性は、同国が改革路線、とりわけ汚職の闘いにどれほどコミットできるかにかかっている。成功するには、ウクライナは、物事に献身する政府の人間と、強力な汚職対策機構の存在が必要なのである」と説明した。そして国務省は、アメリカ合衆国はウクライナ国内のパートナー達と協力することにコミットしていると強調した。

さらに、国務省は、「ウクライナ側の政治意思の欠如、例えば、検事総局側の同欠如に関しては、私たちは、アメリカの納税者に対する義務を果たしているのであり、肯定的な変化をもたらしうるところに支援資金を移している」と説明した。

ウクルインフォルムは、本件に関して、検事総局側からのコメントを得ようとしている。

これに先立ち、ユーリー・ルツェンコ検事総長は、アメリカのThe Hill紙に対するインタビューの中で、ヨヴァノヴィチ駐ウクライナ米国大使が同検事総長に対して、人物リストを渡し、これら人物を「追訴しないよう」要請したと発言していた。また、ルツェンコ検事総長は、アメリカ大統領選挙の際にクリントン当時候補の有利になるようウクライナ側からの同国選挙に介入疑惑に関する捜査していると発言していた。