ロシア外務省、ケルチ海峡への国際監視の可能性を否定

ロシア連邦のカラーシン外務次官は、ケルチ海峡への国際監視団の派遣は「あり得ない」とコメントした。

30日、ロシアのタス通信が報じた。

カラーシン次官は、「(編集注:ケルチ海峡への国際監視団派遣は)あり得ない。私たちは、良心を示すために、専門家による(ケルチ海峡への)一回限りの訪問を提案した。彼らが、自国の首脳陣に報告できるようにするためである。しかし、残念ながら、この招待は、それより長期の『ダンス』への招待だと思われてしまった。そのようなアプローチは、私たちは受け入れられない」と発言した。

同次官は、プーチン大統領はメルケル独首相に一度限りの訪問団を組織するよう提案したと明かしつつ、「しかし、私たちは、この提案を、ウクライナを含む、多国籍監視フォーマットのようなものと結び付けること、つまり、フォーマットを完全かつ長期的ミッションに拡大することには断固として反対する」と述べた。

なお、ケルチ海峡・アゾフ海の国際監視については、これまでに、マース独外相が欧州安全保障協力機構(OSCE)ウクライナ特別監視団(SMM)のマンデートをアゾフ海に拡大する提案をしていた。

また、ラヴロフ露外相は、マース独外相との共同記者会見の際に、プーチン露大統領がドイツとフランスの専門家をケルチ海峡へアクセスするとのメルケル独首相の提案に同意したと述べていた。

本件は、昨年11月25日、被占領下クリミアとロシア領を繋ぐケルチ海峡近くの海上で、ウクライナ海軍艦船3隻がロシア国境警備船に砲撃を受け、ウクライナ海軍軍人24名が拘束、うち3名が負傷、艦船3隻がだ捕された事件を発端とする。これら24名の軍人は、現在までモスクワ市内の拘置所に拘束されている。