クリミア「裁判所」、バールフ活動家の期限前解放を認めず

ロシア占領下のクリミアのケルチ市「裁判所」は、ウクライナ人活動家のヴォロディーミル・バールフ氏につき、弁護士が求めていた条件付期限前解放の要求を棄却した。

25日、ラジオ・リバティー通信のプロジェクト「真実のクリミア」が報じた。

バールフ氏は、同ケルチ市「裁判所」での審議への出廷は拒否した。

ロシア検察のゲンナジー・トロフィモフ氏は、バールフ氏は拘置所にて「51の違反行為をした」として条件付期限前解放を棄却するよう要求した。

他方で、期限前解放を求めた、バールフ氏の弁護士であるタラス・オメリチェンコ氏は、検察側の違反に関する発言について、1月11日時点には「収容所側からバールフ氏に対して、(違反行為の)指摘は一切なかった」とコメントした。また、弁護士は、バールフ氏には介護を必要とする高齢の母親がいると喚起し、条件付期限前解放の必要性を主張していた。

なお、今回の弁護側によるバールフ氏の条件付期限前解放の要請は、2018年11月に提出されたもの。

また、2018年、バールフ氏は数か月にわたり、不当な拘禁につき、ハンガーストライキを実施していた。

バールフ氏は、クリミアにおいて、2年以上勾留されている。キーウ(キエフ)でマイダンの出来事があった時、彼はクリミアのスリブリャンカ村の自分の家にウクライナの国旗を掲げていた。クリミアが占領された後もバールフ氏はその国旗を降ろさなかったが、そのことでロシアが彼を迫害し始めた。2015年4月3日、バールフ氏の自宅に違法な家宅捜索が入り、その際、彼の家からウクライナ国旗が外されることとなった。

ロシア連邦保安庁(FSB)は、2016年12月8日にバールフ氏を拘束した。FSB職員は、バールフ氏自宅から、90の弾丸といくらかの火薬を見つけたと述べていた。クリミアの「裁判所」は、バールフ氏を二つの刑事捜査の判決として最大5年の勾留と1万ルーブルの罰金を命じた。バールフ氏は、彼に対する刑事捜査は政治的動機によるものだと発言した。