米専門家、来年のウクライナの選挙に向けて、問題や注意点を指摘

2019年のウクライナの大統領選挙・議会選挙にとって、既に現在、選挙プロセスに悪影響をおよぼしかねない問題が生じている。その中には、ロシアのハイブリッド攻撃、ロシアからの武力挑発のおそれ、大富豪がコントロールするメディア、ポピュリズムが含まれる。

19日、アメリカのドイツ・マーシャル基金に所属するジョナサン・カッツ専門家が、ウクライナ選挙・市民社会問題環大西洋グループの会合の結果をウクルインフォルムにコメントした。

カッツ専門家は、「なによりまず、最も重要なことは、自由で構成で、透明な選挙を確保することである」とし、それはいかなる選挙にとっても基本的な要件であると述べた。

同時に、同専門家は、ウクライナの来年の大統領・議会選挙は、「ロシアが選挙プロセスに介入しようとしていることに関連し、特別な懸念がある」とし、これまでの経験では、ロシアは選挙キャンペーン中にも投票日当日にも何らかの試みを行っていることを喚起した。そして、「何より、これはサイバー安全保障の問題であり」、ウクライナはアメリカや他の西側諸国とこの問題の対処で連携していくべきだと指摘した。

更に、同専門家は、ロシアからの更なる武力挑発が行われる可能性も排除されないとし、「大規模なものもあり得る」と延べた。そして、そのような武力挑発が行われた場合には、現在ウクライナ国内一部地域で、30日間限定で発動されている戒厳令が延長される可能性が生じ、それが選挙プロセスに否定的影響を与えるおそれがあると説明した。

加えて、専門家は、国内的性格の問題もあると指摘する。具体的には、選挙戦にオリガルヒ(大富豪)や特定政治勢力が所有するマスメディアが利用され、一部の候補者だけを支持する内容の放送がされることが問題だとの説明し、「ウクライナには、強固な市民社会はあるが、独立したメディアはそれほど強靭ではない。本来は独立メディアも強くあるべきである。そのせいで、新人候補が出馬しても、選挙期間中に有権者と対話する機会が得られないという制限、問題が生じるのである」と強調した。

また、ポピュリズム問題もカッツ専門家は指摘した。「誰が本当に改革志向なのか、誰が国民の大半が支持する欧州・大西洋統合路線を本当に維持していくのか、誰が真剣に汚職問題の解決に挑戦していくのかが、わからない状態である」との指摘があった。

写真:gmfus.org