独・仏はアゾフ海へのOSCE監視団の派遣を希望:メルケル独首相

ドイツは、欧州安全保障協力機構(OSCE)ウクライナ特別監視団(SMM)のアゾフ海への派遣を主張しているが、ロシアの抵抗を受けている。しかし、ドイツとフランスは、ノルマンディ・フォーマット(独仏宇露の4国による協議フォーマット)において、同地にドイツとフランスの監視員だけでも派遣できるようにしようと試みている。

12日、ドイツのアンゲラ・メルケル首相が、ドイツ議会において議員の質問に答えた。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。

メルケル首相は、「私たちは、SMMがケルチ海峡とアゾフ海へのアクセスを得られるように努力しているが、ロシアの抵抗に合っている。現時点で、私たちは、せめてドイツとフランスの(SMM)要員だけでも、同地で船舶の通行を監視できるようにするべく、努力している」と発言した。

メルケル首相は、OSCE・SMMが、アゾフ海を含め、完全に活動できるようにするとの考えを支持していると述べつつ、一方で、残念ながら、現時点ではSMMは恒常的な妨害を受けており、自らの機能を完全な形では実現できていないと指摘した。

また、メルケル首相は、ロシアのプーチン大統領が、同地域において「船舶が賢く航行する」ことは可能だと述べたことを明らかにしたが、一方で同首相は「しかしながら、我々に必要なのは、(言葉ではなく)行動である」と発言した。

その上で、メルケル首相は、ベルリンにおいて、先日ノルマンディ・フォーマットで4国の政治問題補佐官が諸問題を話し合ったと述べ、「私たちは、言うまでもなく、海軍軍人と船舶の解放を要求している」とし、欧州諸国はアゾフ海におけるロシアの「実質的な要求」を受け入れることはできないと補足した。

なお、これまでも、ドイツのマース外相がミラノにおけるOSCE外相会合において、ドイツがSMMのマンデートをアゾフ海にまで拡大することを指示していると述べていた。