米下院、露によるケルチ海峡攻撃非難とノルド・ストリーム2関連制裁発動の決議を採択

アメリカ議会下院は、ロシアがケルチ海峡近海でウクライナ海軍艦船を武力攻撃した件を非難する決議と、ガスパイプライン「ノルド・ストリーム2」への制裁を発動させるようアメリカ政府に要求する決議を採択した。

12日、在米ウクライナ大使館がフェイスブックの公式アカウントで伝えた。

大使館のケルチ海峡関連の決議に関する発表には、「同決議は、ケルチ海峡におけるウクライナ海軍艦船に対するロシアの攻撃を、国際規範と合意の履行義務への違反として非難している。同決議は、ロシアに対し、艦船と船員を速やかにウクライナに返し、同国の主権を侵害することとウクライナによるケルチ海峡の通行を妨害すること止めるよう呼びかけている」と指摘されている。

また、同決議は、アメリカ大統領、アメリカの同盟国・パートナー国に対して、ロシアがウクライナに対して長期にわたり侵略を継続していることに対し、ロシアに責任を負わせるよう呼びかけているとのことであり、ロシアが侵略を続けることで国際規範・合意を繰り返し違反し、ミンスク諸合意にも遵守せず、また、アゾフ海の軍事化とケルチ海峡の封鎖を通じて対ウクライナ侵略を強化していることが強調されている。

また、同大使館は、ノルド・ストリーム2に対する制裁発動を呼びかける決議が採択されたことも発表した。

同発表には、「アメリカ議会下院は、満場一致で、ロシアのガスパイプライン『ノルド・ストリーム2』の建設終了に反対する決議を採択した」と書かれている。

この決議は、欧州諸国に対して「ノルド・ストリーム2」を拒否するよう呼びかけるとともに、アメリカ政権に対して「アメリカの敵対者に対する制裁措置法(CAATSA)」第232条にのっとり、同パイプライン関連制裁を発動することを支持しているとのこと。

同決議は、ノルド・ストリーム2が欧州エネルギー安全保障に逆行するステップであり、アメリカの国益に反するものだと指摘しており、アメリカ大統領に対して、欧州のロシアのエネルギーに対する依存を低減させる政策を通じ、欧州のエネルギー安全保障をサポートする手段を利用するよう強く呼びかけている。