米専門家「露はウクライナの政権交代について、春の大統領選より秋の議会選挙に期待している」

ジョン・ハーブスト専門家は、ロシアはウクライナの現政権首脳陣を、よりロシアの利益に忠実な人物に交代させるために全力を尽くしており、2019年春の大統領選挙ではなく秋の最高会議(国会)選挙により期待していると指摘した。

5日に専門家のジョン・ハーブスト氏が発言した。ハーブスト氏は、元在ウクライナ米国大使であり、現在は米国シンクタンクの「アトランティック・カウンシル」のユーラシア・センター長を務めている人物。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。

ハーブスト専門家は、「ロシアの政策の目的が、ウクライナの政権首脳陣をロシアの利益により適した人物に変えることにあることは、疑いの余地がない。私は、彼ら(編集注:ロシア)がこの目的を2019年春(3月)の大統領選挙で達成できると考えているとは思わない。しかし、彼らは、この交代を来年秋(10月)の最高会議選挙後に実現することへの期待は抱いている」と指摘した。

同専門家は、自らの見解を裏付けるものとして、ロシアのプーチン大統領が、現在のウクライナ政権を「戦争党」と名指ししていることに加え、ウクライナの選挙後の新しい首脳陣とより良い関係を築きたいと発言していることに注意を向けた。同専門家は、この発言は、ロシアが自国の利益になることを実行する人物がウクライナ政権に入ることを望んでいることを意味しうると強調した。

その上で、同専門家は、「しかしながら、そのようなことは実現しないであろう。ウクライナ大統領選挙で誰が勝とうとも、あるいは最高会議選挙でどの政党が勝とうとも、プーチンにとっては現状のダイナミズムと同じものが続くだけである。つまり、ウクライナには、ロシアの侵略に反対する、おおむね団結した政界とおおむね団結した国民があり続けるのである」と強調した。

また、同専門家は、現在ロシアによる対ウクライナ戦争が生じており、皆がこれを認識していると指摘した上で、「ロシアは、ウクライナにおける戦争には勝てない。ロシアは、平和を強制させられるであろうし、その平和はおおむねウクライナや西側諸国の立場に合致するものとなろう」と強調した。

写真: voxukraine.org