ウクライナ外務省、ロシアによるケルチ海峡の実質的封鎖につき国際仲裁裁判所に報告

ウクライナ外務省は、黒海・アゾフ海・ケルチ海峡でのロシアによる国連海洋法条約(UNCLOS)違反に関するウクライナ対ロシアの案件を審議する国際仲裁裁判所に、最近のアゾフ海・ケルチ海峡での情勢激化を報告した。

28日、外務省広報室が声明を公表した。

声明には、「ウクライナは、ケルチ海峡を通じてマリウポリ、ベルジャンシク等のウクライナの港へ向かおうとするウクライナや外国の船舶に対する差別的迫害行為が継続していることに注意を向けた。ウクライナやEU加盟国やトルコを含むその他の黒海沿岸国は、ロシア連邦によるこれらの行為を非難するとともに、ケルチ海峡の航行の自由を保障するよう呼びかけている」とある。

外務省の声明には、ウクライナの船舶への攻撃やだ捕を含めた最近の行為は、ロシアによる意図的かつ目的を持った情勢激化であり、航行の自由を妨げ、ウクライナや第三国の旗を掲げた船の航行を長時間止め、それにより著しい経済的損失を生み出していると指摘している。

また、声明は、「また、このような正当化できない行為の対象となっているのが、ウクライナの港へ向かう船舶だけであり、アゾフ海に位置するロシアの港へ向かう船は同様の制限を受けていないことにも注意を向ける」と強調した。

加えて、ウクライナ側は、ロシアに対して抗議の意を表明するとともに、同盟国にも報告をし、また仲裁裁判所への呼びかけを通じて、あらゆる法的手段を用いてロシアの行為を訴えていくと指摘した。