クリムキン外相:ハンガリーとの言語問題の解決は外務省と教育省以外の参加も必要

ウクライナによる言語と教育分野の法律採択をはじめとする問題の解決に向けたハンガリーとの対話は、徐々に進んでいる。しかし、協議が進展するにつれ、外務省と教育省以外の全ての関連省庁の関与が必要となってきている。

15日、クリムキン・ウクライナ外相が、ルクセンブルクの東方パートナーシップ外相級会合の開催されている会場で記者会見をした際、シーヤールトー・ハンガリー外相との二者会談の総括として発言した。

クリムキン外相は、「私が思うに、議論の進展は悪くない。大切なのは、議論に全ての関連省庁が加わることであり、私たち(編集注:外務省)とリリヤ・フリネーヴィチ(編集注:教育科学相)だけではなく、支援すべき人が参加しなければならない」と指摘した。

クリムキン外相は、先週末に国内のハンガリー系住民をどうように支援できるかを理解するために、ウクライナ南西部のウジュホロドを訪問したことを報告し、「私にとって非常に大切だったのは、私たちが彼らに何ができるかを聞くことであった。私たちがやるべきことがあり、それは辞書や教科書、方法論の強化から始めなければならない。ハンガリー系住民自らが私のところへやってきて、『私たちはよりよい教育と学習に賛成している。しかし、誰がどのようにそれを支援するのだ?』と尋ねた。誰が教師を学習させ、誰が関連教科書を与えるのかということである」と発言した。

シーヤールトー・ハンガリー外相は、記者会見時に、ウクライナの教育法の現行のままでは欧州規範に反しており、マイノリティーの権利を侵害するものであり、ウクライナのハンガリー系住民にマイノリティーの言語を話すことが認められていないと繰り返し強調した。

また、ウクルインフォルムの記者からの、ウクライナの国家語をウクライナのハンガリー系住民に学習させる追加的機会を与えることを差別だとみなしているかとの問いに対しては、シーヤールトー外相は、以下のように答えた。「民族的ハンガリー人をはじめ、彼らへのウクライナ語の教育水準はかなり低い。私たちは、この状況を改善し、ハンガリー系マイノリティに質の高い教育を与えるあらゆる行動を支持している。しかし、民族的ハンガリー人のウクライナ語に対する関心を高めるために、母語での会話や学習を禁止することは必要でない。私たちにとって、これは受け入れられないことである」と強調した。

両者は、10月24日、ワルシャワ安全保障フォーラムにおいて、本件の議論を継続するとのこと。

これまでの報道では、2017年9月28日、ウクライナの新しい教育法が発効した。この法律の教育上の国家語使用に関する規範がウクライナ国内と国外、とりわけハンガリーにおいて批判を招いた。

この法律の移行規定は、ウクライナ語で教育する科目の数を徐々に増やしていくことを定めている。ハンガリーは、この規定にハンガリー・マイノリティーの権利侵害があるとしているが、ウクライナ側はこれに反論している。