クリミア住民への裁判:露ロストフ裁判所、被告弁護士に発言させず

9日、ロシアのロストフ・ナ・ドヌー市において、北コーカサス軍管区裁判所で裁判が開かれ、その際、いわゆる「ヒズブット・タフリール」関係者の容疑がかけられる4名の人物の弁護士は、彼らの弁護を行う機会を与えられなかった。

同日、市民団体「クリミアの連帯」が報告した。

報告には、「裁判が終了した。検察は、休憩後も分析文書を読み上げ続けた。裁判所は、予防措置の形で、(4名の)拘束をさらに3か月延長した」とある。

同団体の発表では、「ヒズブット・タフリール裁判」で起訴されている人物達(「バフチサライ住民第一グループ」メンバー)の弁護士がクリミア・シンフェローポリの裁判所から動画を通じて遠隔で弁護を行う予定で、同裁判所まで来ていたが、しかし、原告側が分析文書を読み続けたために、被告側弁護士は弁護を行うことができないまま、裁判が終了され、拘束が延長されたとのこと。

これに先立ち、弁護士のエミリ・クルベジノフ氏とセルゲイ・レゴストフ氏は、原告側が「個別発言、名前や日付から構成される、ばらばらの断片を証拠として用いていること、加えて、それらの半数以上が2006年時のものであること」を指摘し、原告側はこれらを証拠として用いて、「テロリズム」や「暴力を伴う政権奪取」といった特別な重罪の容疑をかけているのであり、これを看過してはならないと述べていた。

「バフチサライ住民第一グループ」メンバー4名は、2016年5月12日に、被占領下のクリミアで「ヒズブット・タフリール」組織への関与の容疑で、クリミア・タタール人の自宅とバフチサライ市の地元カフェへの家宅捜索後に拘束された。その後、ゼヴリ・アブセイトフ、レムジメメトフ、ルステム・アビリタロフ、エンヴェル・メムトフの4名は、テロリズムの断罪で逮捕された。