センツォフ映画監督のハンガー・ストライキ停止に関する公開書簡

ロシアが違法に断罪するウクライナ映画監督オレフ・センツォフ氏の弁護士ドミトリー・ジンゼ氏は、センツォフ氏が6日にハンガー・ストライキを停止することを認めた。

5日、ジンゼ氏がテレビ局「本当の時間」に渡し、公開されたセンツォフ映画監督の書簡で明らかになった。書簡の中でセンツォフ氏は、強制摂食を避けるため、仕方なくストライキを停止すると述べている。

センツォフ氏の書簡には、「私の危機的な健康状態、内臓内で生じ始めた否定的変化から、私に対して、近く強制摂食が計画されている。私の考えは、考慮されていない。あたかも、私はもう自らの健康の程度、健康を害する危険の程度を適切に評価できないとされている。力づくの摂食は、患者の生命の守るためにとられる蘇生方策として行われるものである。このような状況下では、私は、明日、2018年10月6日、自らのハンガー・ストライキを止めざるを得ない」と書いた。

また、これに際して、センツォフ映画監督は、「145日間の闘い、20キロの減量、身体の破壊、しかし、目的は達成できなかった」と指摘しつつ、「私を支えてくれた全ての人に感謝する。そして、私が関わった人々に謝罪する…。ウクライナに栄光あれ!オレフ・センツォフ。2018年10月5日」として書簡を締めくくっている。

クリミア出身ウクライナ人映画監督であるオレフ・センツォフ氏は、2015年8月、ロシアで、被占領下クリミアにてテロを計画したというでっち上げの断罪により、厳格収容所への20年間の拘禁刑が言い渡された。

2018年5月14日、センツォフ映画監督は、ロシアに拘束されている全てのウクライナ人政治囚解放を求めて、無期限ハンガー・ストライキを発表した。

ウクライナやその他の国々で、センツォフ監督の解放を求めた多くの抗議が行われている。

現在、ロシアと併合下クリミアにおいて、70名近くのウクライナ国民が拘束されている。その中には、ロシアがスパイの罪で12年間の厳格収容所拘禁を言い渡したウクルインフォルム通信の記者であるロマン・スシチェンコ氏も含まれる。