国連人権監視団報告:クリミアで42の強制失踪の事例を確認

国際連合ウクライナ人権監視団は、ロシアによるクリミアの占領以降、強制失踪の事例を42件確認している。

フィオナ・フレイザー国連ウクライナ人権監視団団長が、一時的占領下クリミア自治共和国とセヴァストーポリ市における人権状況に関する報告書プレゼンテーションにおいて発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。

フレイザー国連人権監視団団長は、「(2017年9月13日から2018年6月30日の)本報告期間に、私たちは、新たに4件の強制失踪の事例を確認しました。これにより、(クリミアの)占領開始からの強制失踪件数は計42件となりました」と述べた。

フレイザー団長は、また、クリミアでは私的な逮捕や拘束が継続しており、国連人権監視団は過去10か月だけでも、11件の法的根拠のない逮捕を確認したと報告した。

また、同団長は、クリミアでは概して人権侵害の事例が継続しており、過去10か月での状況の目立った改善は観察されなかったとし、クリミアの先住民族であるクリミア・タタール人が極端な弾圧を受けていると強調した。

フレイザー団長は、「私たちは、クリミアのロシア連邦政権に対して、クリミア・タタール人の所有する私的資産への家宅捜索を停止すること、またクリミアでロシア法を強制的に適用するのを控えることを要求しています。また、私たちは、ロシアに対して、国際司法裁判所(ICJ)が下した、メジュリス(編集注:クリミア・タタール民族代表機関)の活動禁止を無効化するように命令した決定を履行するように要求しています」と指摘した。

加えて、フレイザー団長は、ロシアによるクリミア占領の期間、私的な逮捕、拷問、強制失踪の事例の責任が問われたことは一度もなく、また、クリミアでは「無法の雰囲気と客観的捜査の不在が充満している」と発言した。