大統領に憲法軽視の忠言をしたティモシェンコ祖国党党首を、各政党代表者が批判

ティモシェンコ祖国党党首がゼレンシキー大統領に対して、憲法裁判所が議会解散大統領令を違憲と判断してもその決定を履行しなければ良いとする忠言を行ったことに関し、他の政党代表者から批判が起きている。

13日、サドヴィー自助党党首は、自身のフェイスブック・アカウントにて、「ユリヤ・ティモシェンコ氏の大統領への憲法裁決定の不履行の忠言は、モラルの欠如、あるいは、意図的な障害作りである。選挙は良いが、裁判判決の無視は良くない。単純なことだ」と書き込んだ。

また、12日、最高会議の言論の自由・情報政策委員会委員長であるヴィクトリヤ・シューマル最高会議議員(人民戦線党会派)は、フェイスブックにて、ティモシェンコ祖国党党首の言動は憲法・法律全体の履行が不可欠であるということに疑問を呈すものであると指摘した。同議員は、「ティモシェンコ氏は、ゼレンシキー氏に、憲法裁の決定を気にするなと忠言した…。そうすると、憲法、法律、法治国家は誰にとって必要だというのだろうか?不思議の国のアリスになったように感じているのは、私だけであろうか?」と書き込んだ。

さらに、12日、オレフ・リャシュコ急進党党首は、自身のフェイスブック・アカウントにて、「ティモシェンコ氏は、それほどまでに首相になりたがっているということであり、そのためには、ウクライナを更なる混沌、無秩序に放り込む準備があるということだ。モルドバを見よ。そして、私たちをどんな状態に追いやろうとしているかを理解すると良い」と強調した。

これに先立ち、6月12日、ティモシェンコ祖国党党首は、ゼレンシキー大統領に対し、憲法裁判所が最高会議解散の大統領令を違憲と判断した場合であっても、大統領令を無効化しないように呼びかけていた

なお、5月17日、当時の与党連合の一翼であった人民戦線党が与党離脱を表明。現行法により、同日から1か月間は新与党連合結成のための期間となり、大統領による最高会議の解散はできないことになっていた。

他方、5月20日、ゼレンシキー大統領は、自身の大統領就任演説にて、最高会議解散の意向を発表。5月21日、同大統領は、同解散・繰り上げ選挙実施の大統領令に署名、同23日同大統領令は公布され、発効した。

5月24日、人民戦線党は、62名の議員の署名をもって、憲法裁判所に同大統領令の違憲性を審査するよう要請した。

6月4日、憲法裁判所は、同大統領令の憲法との合致の審議を開始している。