ウクライナ電力会社「全面的停電は世界の終わりではない。電力会社は準備をしてきた」

ウクライナの電力会社「ウクルエネルホ」のクドリツィキー総裁は22日、同社やその他関連企業はロシア軍がさらに電力インフラを攻撃して、ウクライナ全土の全面的停電が生じた場合に備えて訓練と準備を行ってきたと発言した。

クドリツィキー・ウクルエネルホ社総裁がメディアセンター・ウクライナ=ウクルインフォルムでの記者会見時に発言した

クドリツィキー氏は、「現在、いつ全面的停電が生じる可能性があるか、可能性はどの程度かといったことを予想することはできない。全ては、大規模ミサイル攻撃が続くかどうか、それが成功するかどうかにかかっている。全面的停電は世界の終わりではない。それは、電力システムの全面的あるいは著しい停止であり、その後にはその復旧が始まるのである」と発言した。

同氏はまた、ウクルエネルホ社やその他の電力企業が最悪のシナリオに向けて準備をしつつ、全面的停電が起きた場合の訓練と準備方策をとってきたとし、「何をすべきか、どのようにして私たちの電力システムを迅速に復旧させるかについて、皆が素晴らしく把握している」と強調した。

さらに同氏は、「皆が、突然そのような状況になった場合に何をすべきかを把握している。しかし、その際、述べておきたいのは、今後全面的停電が待ち受けているという状況からは程遠いということだ。ウクライナの電力システムは、最近の攻撃の際に耐えており、その強靭性を示した。私たちは、私たちの防空システムの能力と手段の改善に期待している」と発言した。

なお、ロシア軍は、10月10日以降、断続的に大規模ミサイル攻撃を行い、ウクライナの各地の電力施設を破壊している。これを受け、ウクライナでは、電力システムの復旧と安定化のために広範囲で計画停電が実施されている。