デンマーク企業、ノルド・ストリーム2建設から撤退=報道

露ガスプロム社との間で新天然ガスパイプライン「ノルド・ストリーム2」の建設契約をしていたデンマークのランボール(Ramboll)社は、同建設から撤退した。

13日、フォーブス・ロシア語版が報じた

デンマークのポリティケン紙関係者によると、ランボール社は、米国の新しい制裁のリスクを考慮してプロジェクトから撤退したという。同時に、同社代表者は、本件につきコメントを拒否している。

ノルド・ストリーム2の公式サイトには、ランボール社は同プロジェクトの環境コンサルタントであったことが記載されている。ランボール社は、天然ガスパイプラインの環境に与える影響を分析し、その評価を報告書にまとめていた。

なお、昨年11月には、ノルウェーの海事関連第三者認証機関DNV GLもノルド・ストリーム2プロジェクトから撤退している。同社もまた、その活動が米国の新しい制限に抵触することを危惧して撤退を決定していた。

これに先立ち、米国務省は、今週に入り、天然ガスパイプライン「ノルド・ストリーム2」の完成を支援しており、制裁対象となる企業一覧の掲載された報告書を公開していた。

ロシアとドイツを結ぶことを予定しているノルド・ストリーム2は、全長1200キロメートルで、すでに94%が建設されている。完成すると年間550億立方メートルのガスを送ることが可能となると説明されている。ウクライナを迂回すること、欧州の対露エネルギー依存を高めることから、ウクライナ、米国、ポーランド、バルト諸国が同パイプラインの建設に反対を表明している。

米国が2019年12月に発効した対ノルド・ストリーム2制裁により、現在同パイプラインの建設作業は停止している。さらに、米国の2021年会計年度の国防予算を定める国防権限法(採択済み)には、同パイプラインへの追加制裁が含まれている。