ゼレンシキー大統領、農地市場法に署名

ヴォロディーミル・ゼレンシキー大統領は28日、最高会議が3月30日に採択した「農地市場法案」(正式名「農地流通に関する複数国内法改正法案」)に署名した。

大統領府広報室が公表した

発表にて、ゼレンシキー大統領は「これは全てのウクライナ国民、そして私個人にとって、歴史的な瞬間である。ウクライナは、この法律を独立時から待ち続けていた。戦いは容易でなかった。しかし、私たちは、ウクライナ国民のために戦っていることをわかっていた」と発言した。

大統領府はまた、今回大統領が署名した同法について、農地の市場流通を実現するための法的基盤を形成するものだと説明している。同法により、国民は自らの資産を自由に扱う憲法上の権利を行使することが可能になり、農地の獲得の透明な条件が創出されると書かれている。

具体的には、同法により、2021年7月1日から、最大100ヘクタールの農地を所有する権利をウクライナ国民個人のみが得ることになる。2024年1月1日からは、ウクライナ国民が所有する法人も農地獲得可能となり、法人の場合は、最大1万ヘクタールの購入が可能。また、国有・公有の土地の売却は禁止される。外国国籍者への購入権の付与については、今後国民投票にて決定されることになる。

その他、同法により、所有する農地に関する権利の行使が確保され、農業分野における投資機会の拡大が促進されると説明されている。

なお、これに先立ち、3月29日、ゼレンシキー大統領は、最高会議議員に向け、国際通貨基金(IMF)をはじめ、国際金融機関からの支援を受けるために、この農地市場法案と銀行法案の2本を採択するよう呼びかけていた。3月30日、最高会議は、農地市場法案を第二読会で採択。同法案の採択は、国際通貨基金(IMF)によるウクライナへの次期トランシュ供与の条件の一つとなっていた。