国連の専門家、ウクライナ東部ドンバス地方は環境災害の危機にあると指摘

ウクライナ東部ドネツィク・ルハンシク両州での戦闘行為は、ウクライナにて深刻な環境被害を生み出しており、同地域は現在環境災害の危機にある。

6日、国際連合(国連)ニュースが伝えた。

専門家は、「今日、戦争は、ウクライナの環境を破壊している。国連環境計画(UNEP)の専門家の評価では、ドンバス地方の紛争の結果、同地の環境システムが少なくとも53万ヘクタールにわたって破壊された。その中には、合計8万ヘクタールとなる18の自然保護区が含まれる。さらに、15万ヘクタールの森林部が被害を受けている。この領域は、現在まで戦闘行為の行われる空間に位置しており、1万2000回の火災が発生した」と指摘した。

国連は、環境保護が紛争予防努力と平和維持戦略の一部となるべきだと主張した。

レイラ・ウレケノヴァUNEP専門家は、「ドンバス地方は、現在、環境災害の危機にあり、その原因は、大気・土壌・水質の汚染です。その原因は、大量の弾薬の爆発と工業系企業の火災です。武力紛争によって生じた環境被害を至急評価することが必要であり、被害の最小化が不可欠です」と強調した。

専門家は、ウクライナ東部の産業企業は市民の健康と自然に潜在的な脅威をもたらしていると指摘し、「同地域には、5万5000の工業系企業とインフラ施設が集中しており、これらが破壊された場合、環境に著しいダメージをもたらします。ドン川を含む河川の汚染は、人々の健康に害をもたらします。不発弾が埋まる、農地を含む戦闘行為の起きている地域では、その除去に、数年、あるいは10年単位の時間がかかります」と強調した。