ドイツにはロシアとの武力衝突のリスクが存在=独情報機関トップ
ドイツのイェーガー連邦情報局(BND)長官(前駐ウクライナ独大使)は5日、ロシアとの対立はこれまでより危険な新たな段階に入っており、ドイツにはロシアとの武力衝突に巻き込まれるリスクがあるとの見方を示した。
イェーガーBND長官が、連邦議会の公開公聴会の際に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
イェーガー氏は、「私たちがロシアと直面している対立は、新しい、より危険な性質を帯びた。ドイツにはロシアとの武力衝突に巻き込まれるリスクが存在する。ライプツィヒでの攻撃未遂はほんの一例に過ぎない。現在、他のどの国からも、ドイツにとってこれほど直接的、包括的かつ具体的な脅威は生じていない」と述べた。
また同氏は、ロシアは、ウクライナへの支援や欧州の同盟国に対するロシアによる圧力への抵抗を理由に、ドイツを自国の主要な対立国の1つと見なしていると説明した。
同氏はその際、「私たちがこの対立を探していたわけではない。それはロシアが私たちに押し付け、同国が私たちを主要な対立国の1つと見なしているのだ。なぜなら、私たちはロシアの修正主義的で拡張主義的な政策や対ウクライナ侵略戦争を容認しないからだ。私たちがバルト三国や欧州のその他の地域の同盟国に対するロシアの威圧に抵抗しているからだ」と指摘した。
さらに同氏は、ドイツは「欧州におけるロシアの覇権主義的な力の投射の主要な障害の1つ」となっており、そのためにロシアの行動の標的になっているとの評価を示した。その際同氏は、「従わない者は敵対者となる。それがモスクワの論理だ」と補足した。
同氏は加えて、モスクワはドイツの反応を注視しており、優柔不断のいかなる表出も、圧力を強化するための理由と見なしていると指摘した。
その他同氏は、モスクワの目的の1つとして、欧州におけるウクライナへの政治的支持の破壊を挙げた上で、「私たちは威圧や更なる干渉の試みに備えなければならない。おそらく、再び核の脅迫が行われるだろう。私たちはそれを耐え抜かなければならない」と伝えた。
加えて同氏は、ドイツに対して「影の戦争」を仕掛けているクレムリンのより広範な目的は、欧州各国の政府による政治的決定への影響力行使だと説明した。その際同氏は、「ロシア指導部は将来に向けて、ベルリンやその他の欧州の首都でモスクワにとって不利な政治的決定が下されないことを保証したがっている。ロシアは私たちに対して『影の戦争』を仕掛けている。その不布告の戦争は、通常の軍事的または法的なカテゴリーで説明することはできない。私たちは防衛状態にはないが、それでも攻撃を受けている。まさにそれこそが『影の戦争』である」と語った。