プーチン氏に和平の用意なし=ピストリウス独国防相

ドイツのピストリウス国防相は、ロシアの首脳プーチン氏に対ウクライナ戦争を終わらせる意思があるとは思っていないと発言した。

ピストリウス国防相がツァイトとのインタビュー時に発言した

ピストリウス氏は、「停戦達成に向けて米国、欧州、ウクライナが努力しているにもかかわらず、プーチン氏が戦争終結に関心を持っているという兆候は、モスクワからは全く見られない。それでもなお、ベルリンでの交渉は重要であった」と述べた上で、戦争を即座に終わらせることができる唯一の人物はウラジーミル・プーチン氏だという見方に同意した。

また同氏は、1週間前のベルリンでの交渉を重要なものだったと考えていると述べ、なぜなら、その交渉はウクライナの将来に関する交渉において欧州に発言権があることを示しており、また欧州のパートナー諸国が米国及びウクライナと立場を調整したからだと説明した。

記者から、ベルリンでの交渉の結果として言及されている、とりわけ「欧州主導の多国籍軍」などの安全の保証へのドイツの参加について問われると、ピストリウス氏は、平和をいかに確保できるかという問いは、現時点では「仮説的な検討」だと指摘した。そして同氏は、欧州諸国は「欧州主導の部隊に参加する原則的な準備」を表明したのだと指摘し、それは、今度は米国の番であること、米国が安全の保証において多大な貢献をしなければならないことを明確にするものだと強調した。

そして同氏は、「私たちは一緒に、強大な抑止力を有している」と明言した。

同時に同氏は、12月初めに米国が採択した新しい戦略が何を意味するのかについては、明確に答えることができなかった。

同氏はその際、「正直に言えば、それ(編集注:新戦略)をどう扱うべきかについて私には確信がない。政治的な合理性という通常の基準を適用するならば、それは離婚届のような文書だと言えるかもしれない。(中略)確かに、米国政府のトーンは厳しくなった。しかし、米国が将来的にインド太平洋地域により注力するという事実は、既にずっと前から明らかだったことである」と指摘した。

同氏はそして、同時に安定した欧州の存在は米国の主要な利益であり続けているとも指摘し、今年ハーグで開催されたNATO首脳会談においても、米国がNATOと第5条へのコミットメントを再確認したことを喚起した。同時に同氏は、しかし、欧州諸国が将来的に、より一層自らに頼らなければならないことは明白だとも指摘した。同氏は、欧州を失うことは、安全保障及び外政の分野において、米国にとって致命的な誤りになるだろうとの見方も示した。