ゼレンシキー大統領とブリンケン米国務長官、宇国境付近のロシア軍の撤退が進んでいないと指摘

ゼレンシキー大統領とキーウ(キエフ)訪問中のブリンケン米国務長官は、ウクライナ国境付近や被占領下クリミアに集結していたロシア軍部隊の大半は撤退発表後もその場に駐留し続けていると指摘した。

6日、両者が会談記者会見後の共同記者会見時に発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。

ゼレンシキー大統領は、「(ロシア軍の)部隊と機材の増加は、一時的被占領下クリミア、一時的被占領下ドネツィク・ルハンシク両州地域で生じ、またロシアとウクライナの間の国境沿いでも増加していた。今のところ、私たちのインテイリジェンスと専門的軍人が確認しているのは、合計約10万の人員と機材の内、軍人3500人だけが一時的被占領下クリミアから出て行き始めただけである。それ以外は、いずれの場所でも減少は確認されていない」と発言した。

そして、大統領は、ロシア軍の撤退は緩慢であると指摘し、「そのため、脅威はあり得る。誰もそのようなサプライズは望んでいないが」と発言した。

同時にブリンケン国務長官は、「脅威についてだが、脅威は残っている。ロシアは、一部部隊を撤退させたが、大半の部隊はウクライナとの国境周辺に残っている。彼らは、機材一部を撤収したが、大半の機材はウクライナとの国境周辺に残している。つまり、ロシアが決定を下しさえすれば、ロシアはかなり短期間に攻撃的行動を取ることができるのだ」と発言した。

ブリンケン国務長官は、米国はあらゆる出来事を丁寧に観察しており、ウクライナ側と恒常的にコンタクトを取っていると発言した。

その上で国務長官は、「私は、そのような攻撃性を全面に出した挑発行為の中で、ウクライナが示した抑制を高く評価している。ウクライナは犠牲者を出している。常に損失が出ている。しかし、ウクライナが示した抑制は現実的であり、高く評価されるものだ。ウクライナはロシアの挑発に反撃していない」と発言した。

なお、6日、ブリンケン米国務長官がウクライナを実務訪問している。