ロシアは、ウクライナ国境付近に大隊戦術群56個、軍人11万人を集結=タラン国防相

ロシア連邦は、過去数週間で、ウクライナの北・東の国境付近で著しい軍増強をしており、現在、その数は、大隊戦術群56個、人員11万となっている。これは、ロシアが大規模な軍事挑発を行える数である。

14日、アンドリー・タラン・ウクライナ国防相が欧州議会安全保障・防衛小委員会(SEDE)会合でのオンラインでの出席の際に発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。

タラン国防相は、「引き続き脅威となっているのは、北・東方面である。信頼あるデータにより、この方面にロシア大陸側から追加部隊の移動が続いていると述べることが可能である。現在ウクライナとの国境沿いに集結している遠征配備とロシア軍通常勢力の合計は、戦術大隊群56個、軍人11万人である」と発言した。

同相は、より広く言えば、ロシアは欧州方面で自らの攻撃的能力を高め続けているのだとし、ロシア連邦西部・南部軍管区における戦闘部隊の強化、前方作戦司令部の展開が行われていると発言した。

加えて同相は、「私たちはまた、ベラルーシにおける政治・安保情勢の展開も考慮にいれなければならない。それによっては、同国にロシア軍の恒常的プレゼンスが生じるおそれがあるからだ。そうなれば、ウクライナにとってのみならず、東欧全体にとっての『ゲームルール』の変更となる。特に、カリーニングラード州のロシア軍部隊と連結が生じる」と発言した。

また、同相は、ロシアはクリミアの軍人数を従来の3万2000人から過去数週間で4万2000人に増やしたと指摘した。

これに先立ち、現在、ロシア連邦がウクライナとの国境近くと占領下クリミアに軍部隊を集結させていることが伝えられている。3月30日、ルスラン・ホムチャーク・ウクライナ軍総司令官は、最高会議臨時会議にて、ロシア連邦軍大隊戦術群28個がウクライナとの国境沿いに配置されていると述べていた。

同時に、ウクライナ東部では、今年に入ってから停戦違反件数が増加しており、ウクライナ軍人の死者数が増加。加えて、最近、ロシアによるウクライナでの侵略行為を正当化するようなプロパガンダ・キャンペーンが活発化している。

欧米諸国は、ロシアの情勢激化に関する懸念と、ウクライナの主権・領土一体性への支持を表明している。