ストルテンベルグNATO事務総長、露軍国境集結を受けゼレンシキー大統領と協議

ストルテンベルグ北大西洋条約機構(NATO)事務総長は6日、ゼレンシキー大統領との電話会談時、ウクライナ国内外におけるロシアの軍事行動への懸念を表明した上で、ウクライナの主権と領土一体性をNATOが支持していることを確認した。

ストルテンベルグNATO事務総長がツイッター・アカウントにて伝えた

ストルテンベルグ事務総長は、「私は、ウクライナ国内とその周辺におけるロシアの軍事活動と現在進行する停戦違反につき深刻な懸念を表明するため、ゼレンシキー大統領に電話をかけた。NATOは、ウクライナの主権と領土一体性を堅固に支持している。私たちは、私たちの緊密なパートナーシップにコミットし続けている」と書き込んだ。

また、ウクライナ大統領府広報室も、今回の電話会談について公表している

同発表には、ゼレンシキー大統領が「ここ数週間、私たちはロシア占領軍からの停戦違反件数の増加とウクライナ防衛者の死亡数増加という非常に危険な傾向を観察している」と発言したと書かれている。

また発表によれば、大統領は、ウクライナ国境付近へロシアが軍を集結しており、攻撃的行動の準備を高めていると述べたという。

同時にゼレンシキー大統領は、ストルテンベルグ事務総長に対して、ウクライナをめぐるの治安情勢への注意に謝意を伝え、NATO加盟国に対して、黒海地域の安全保障問題へとより多くの注意を向け、同地域への軍事プレゼンスを強化するよう呼びかけた。

ゼレンシキー大統領は、「そのような恒常的プレゼンスは、ロシアを抑止するための強力な要因となるに違いない。ロシアは、地域の大規模な軍事化を続けており、商業船の航行を妨害している」と発言した。

さらにゼレンシキー大統領は、NATOとの関係におけるウクライナにとっての最も喫緊の課題は、NATOの加盟行動計画(MAP)獲得可能性だと強調した。大統領は、「私たちは、軍と防衛セクターの改革にコミットしているが、改革だけではロシアを止めることはできない。NATOは、ドンバス戦争集結への唯一の道である。MAPは、ロシア連邦にとって真のシグナルとなろう」と強調した。

なお、これに先立ち、3月30日、ルスラン・ホムチャーク・ウクライナ軍総司令官は、最高会議臨時会議にて、ロシア連邦軍大隊戦術群28個がウクライナとの国境沿いに配置されていると述べていた。