ゼレンシキー大統領、軍事安全保障戦略を確定

ヴォロディーミル・ゼレンシキー大統領は、軍事安全保障戦略を確定した。

25日、大統領府広報室が、ゼレンシキー大統領が2021年3月25日付国家安全保障国防会議(NSDC)決定「ウクライナ軍事安全保障戦略」を発効させる大統領令第121/2021に署名したことを発表した

同戦略は、国家安全保障がハイブリッド手段の利用と関連する軍事的脅威にさらされる中、ウクライナの国防への包括的アプローチを施行する内容となっている。

戦略には、「ウクライナの包括的国防は、国連憲章にて定められた各国の持つ侵略に対する主権上の不可分の自衛権に合致するものであり、国家の極度の軍事化をもたらし得るロシア連邦との間の軍事的均衡を達成することを目的にしており、ならびにウクライナの軍事安全保障のために均衡維持と軍事的・非軍事的手段の統合を定めるものである」と書かれている。

同戦略は、主に国際法、政治・外交、安全保障、人道、経済面の手段を通じた、軍事脅威からの国益防衛、抵抗、対ウクライナ軍事侵略抑止、敵によるウクライナに対する全面的な軍事力の行使の予防・抑止、ロシア連邦によるウクライナ領一時的占領の停止、主権・領土一体性保護を目的とする軍事、防衛、軍事建設の分野における国政実現上の目的、優先課題、課題を定めている。

発表には、「戦略実現は、ウクライナの欧州大西洋安全保障空間への統合と北大西洋条約機構加盟実現を促進する。同戦略は、多国籍平和・安全維持作戦への積極的参加を定めている」と書かれている。

また、同戦略の条項を考慮した上で、作戦計画、安全保障・防衛分野を構成する軍事力・手段の行使計画が作成されていくと説明されている。

戦略本文(ウクライナ語)は、大統領令第121/2021に添付される形で公開されている。