三者協議ウクライナ代表団、合意の治安項目履行が最重要だと再喚起

ドンバス情勢のその他の問題の今後の協議を成功させるためには、完全かつ包括的停戦に回帰することが主要な条件である。

20日、ウクライナ・ロシア・欧州安全保障協力機構(OSCE)からなる三者コンタクト・グループ(TCG)のウクライナ代表団がフェイスブック・アカウントにて主張した

TCGウクライナ代表団は、「主要かつ基本的な条件である、完全かつ包括的な停戦の達成が履行されていない場合、政治、人道、経済というその他の問題を進める行動に合意することは意味を持たない」と発表した。

また代表団は、「軍事面での達成なしに政治的情勢解決について話そうとすることは、そもそも展望がない」と指摘した(編集注:TCGのドンバス情勢解決協議において、ロシア代表団は、治安問題の解決を待たずに、選挙実施などの政治項目を履行することを求めている)。

ウクライナ代表団は、OSCEウクライナ特別監視団(SMM)から、停戦違反モニター体制の強化を期待していると指摘しつつ、「ロシア側からも同様の努力を期待している」とコメントした。

同時にウクライナ代表団は、TCG会合では、すべての参加者が停戦合意を順守・履行することが「決定的に重要だ」と考えていると指摘した。

さらに代表団は、2020年7月27日から2021年3月10日までに、停戦体制への違反は890回確認されたと報告しつつ、比較として、2019〜2020年の同期間の停戦違反件数は2498回と2.8倍多かったと伝えた。

同時に、昨年10月末以降、停戦違反件数の増加傾向と、それにともなう人的被害数増加が見られると指摘した。

発表には、2021年3月15日現在、(7月27日以降の)停戦違反確認件数は953回、そのうちミンスク諸合意の禁止する兵器使用を伴う違反は106回、同期間のウクライナ側の戦闘による死者は18名、負傷者は73名だと書かれている。

ウクライナ側代表団は、SMMは3月1日から15日までの期間、違法武装集団側による停戦違反を363回、ウクライナ軍側(反撃)によるものを62回確認していると伝えた。