ロシア、ドンバス地方の新検問地点の相互開通を不履行=ウクライナ代表団

11月10日に予定されている、東部ルハンシク州政府管理地域・被占領地域間コンタクト・ライン上の2つの新しい民間人用通過検問地点「シチャースチャ」と「ゾロテー」につき、ロシア側が開通に向けた準備を行っていないことが判明した。

9日、三者コンタクト・グループ(TCG)ウクライナ代表団がフェイスブック・アカウントにて発表した

発表には、「ウクライナは、11月10日、通過検問地点の開通だけを準備していたのではない。コンタクト・ラインの両側に暮らすウクライナ国民皆が行政サービス、社会サービスを受けることのできるサービスセンター、無料司法支援、医療支援も準備していたし、銀行の支店、母子用ルームもオープンが予定されていた。しかし、たった今、私たちは、ロシア側が検問地点の作業を再開させるつもりがないとの情報が聞こえてきた。残念である。なぜなら、通過検問地点の開通は、民間人に対する本当のケアとなるはずだったからだ」と書かれている。

ウクライナ代表団はまた、ウクライナは「2019年12月9日付ノルマンディ・フォーマット・パリ首脳会談一般合意結論」実現における自らの部分を明確かつ一貫して履行していると指摘しつつ、「ロシア側については、同様のことは言えない」として、ロシアによる不履行を批判した。

加えて代表団は、「明日11月10日に予定されていた通過検問地点開通が破綻することが、コンタクト・ライン両側に暮らすウクライナ国民の必要にとってダメージを与えることが、特に痛みを覚えさせる」と強調した。

これに先立ち、ウクライナ、ロシア、欧州安全保障協力機構(OSCE)からなる三者コンタクト・グループの会合の決定により、11月10日に被占領地(非政府管理地域)との間の新通過検問地点「シチャースチャ」と「ゾロテー」の相互開通が予定されていることが発表されていた。現在、ルハンシク州には、住民が政府管理地域と被占領地を移動するための通過検問地点が「スタニツャ・ルハンシカ」の1地点しかなく、また同地点は歩行者専用の作りのため、新地点の開通が長らく議論されていた。