OSCEの無人機が被占領地で行方不明に:統一作戦部隊とSMM

27日深夜、「ドネツィク人民共和国(DPR)」支配地域上空で監視を行っていた欧州安全保障協力機構(OSCE)ウクライナ特別監視団(SMM)の無人機(UAV)が通信が途絶えた。同UAVは、カリノヴェ付近での地対空ロケットシステム(9K33「オサ」)やニジュニョクリンスケから東へ燃料を運ぶタンクローリーを記録していた。

28日、統一部隊作戦広報室が発表した。

発表文には、「昨日(27日)未明、OSCE・SMMの長距離UAVが、ウクライナ被占領地上空、ニジュニョクリンスケから東方を飛行していた際、地対空ロケットシステム(9K33「オサ」)と燃料輸送用タンクローリーを記録していた。その後、同UAVは、ロシアとの国境付近の付近に国境検問地点のない未舗装道路で7台の輸送車からなる車列を確認。SMMは、その車列を確認した後、車列の更なる移動を監視するためにUAVを操縦していた」とある。

そして、同発表によれば、UAVの通信が途絶えるまでの約35分間、ドネツィク州サウリウカ(Saurivka)地区とニジュニョクリンシケ(Nyzhnokrynske)地区付近で、分析結果によりジャミングと見られる妨害を断続的に受けていたとのこと。

そして、統一部隊作戦広報室は、27日に発表されたSMMの特別報告(スポットレポート)を参照し、同日午前1時53分、SMMはUAVからの通信を失い、同UAVが政府コントロール地域に位置する地上操縦地点に戻らなかったため、同UAVは失われたと考えられていることが記載されていることを指摘した。

また、統一部隊作戦は、SMMが、前述の地区において、飛行物体を攻撃対象とする機器をこれまでも複数回確認していることを強調した。具体的には、とりわけ、UAVは、10月10日にZU-23を、10月23日には9K33「オサ」を記録していたとのこと。

これを踏まえた上で、統一部隊作戦は、「これらのSMM報告書が提示する事実が示すことは、ロシア軍部隊が、管理の失われているロシア・ウクライナ国境を通じた兵力・機器の移送を隠ぺいしようとしているということである。彼らは、SMMの監視活動を直接妨害するために、SMMの監視機器に影響を与えているのである」と強調した。