ロシア無人機のポーランド領空侵入は偶然ではなく意図的=EU上級代表
欧州連合(EU)のカラス外務・安全保障政策担当上級代表は、10日未明にロシア軍の無人機がポーランド領空に侵入したことは、ロシアの対ウクライナ全面戦争が始まって以来の最も深刻な欧州領空侵犯であり、兆候はそれが偶発的なものではなく、意図的なものであったことを示唆していると指摘した。
カラス外務・安全保障政策担当上級代表がXアカウントにコメントを書き込んだ。
カラス氏は、「昨夜私たちはポーランドにて戦争開始以降ロシアによる最も深刻な欧州領空侵犯を目にしており、兆候はそれが偶然ではなく、意図的であったことを示唆している。私は、ルッテ北大西洋条約機構(NATO)事務総長とシコルスキ・ポーランド外相と連絡を取っている」と伝えた。
また同氏は、「ロシアの戦争は終わるのではなく、激化している。私たちは、モスクワへのコストを高め、ウクライナのための支援を強化し、欧州の防衛へ投資せねばならない。EUは、主要な役割を担っており、私たちは、東方境界防衛線といったイニシアティブを支援していく」と伝えた。
また同氏は、EUはポーランドと「完全に連帯している」と表明した。
これに先立ち、ウクライナへの全面侵略を続けるロシア軍は、9日夕方から10日朝にかけて、自爆型などの無人機415機と巡航・弾道ミサイル43弾でウクライナに攻撃を仕掛けていた。
ウクライナ空軍は、その際に少なくとも8機の無人機がウクライナ国境を越えてポーランド方面へと飛翔していったと報告した。
ポーランドのトゥスク首相は、10日未明にポーランド領空に複数侵入したロシア軍の無人機を迎撃したと発表している。