今のところロシアにキーウを制圧する戦力はない=ミリー米統合参謀本部議長

米国のミリー統合参謀本部議長は14日、ロシア軍はウクライナ東部に現存戦力を集中させており、キーウに関しては、空からの攻撃の脅威はあるものの、同市は今回の攻勢の対象にはまずならないだろうとの見方を示した。

ミリー統合参謀本部議長がブリュッセルで開催されたウクライナ防衛問題コンタクトグループ会合(ラムシュタイン会合)後の記者会見時に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。

ミリー氏は、「キーウに関しては、空の脅威、ミサイル攻撃の脅威の潜在性は常にある。キーウは首都であり、戦争の重要な標的だ。私は、ロシアの攻撃能力を決して過小評価はしないが、しかし現時点では私たちはそのための大きな可能性は目にしていない」と発言した。

同氏はまた、ロシアの新たな攻勢はすでに行われているとしつつ、「ハルキウからヘルソンまでの前線ラインは激しい戦闘にもかかわらずかなり安定している」と発言した。同時に同氏は、最大のダイナミズムが観察されているのはバフムート周辺であり、ウクライナ防衛戦力が、敵の攻撃、主に傭兵グループ「ヴァグネル」のものを撃退していると指摘した。

そして同氏は、「それは、特にロシア側に極めて高い水準の犠牲者を出している、非常に重要な消耗戦だ」と発言した。

同氏は、この戦いは数週間は継続するとしつつ、ウクライナ側は防衛するだけの能力があるとの見方を示した。

なお、14日、ブリュッセルにて、ウクライナ防衛問題コンタクトグループ会合(ラムシュタイン会合)が開催されていた。