ヴォリハ・カヴァリコヴァ ベラルーシ野党ツィハノウスカヤ氏の法定代理人
ツィハノウスカヤは出国を予定していたのではない。政権が彼女を追い出したのだ
26.08.2020 14:57

ベラルーシ首都ミンスクでは、8月19日に抗議者側がシヴャトラナ・ツィハウノスカヤ(露語:スヴェトラーナ・チハノフスカヤ)が実質的に主導した「政権評議会」の第一回会合が開催された。

私たちは、この調整評議会のメンバーの一人であり、ツィハノウスカヤ氏の大統領選挙時の法定代理人であるヴォリハ・カヴァリコヴァ(露語:オリガ・コヴァリコヴァ)氏と評議会の活動について話をした。

(編集注:なお、ウクルインフォルムがカヴァリコヴァ氏と対話をして数日後、ベラルーシ治安機関が同氏を拘束、24日には拘置所に入れられたことが伝えられている。)


ヴォリハさん、現在私たちが目にしているのは、ベラルーシ・ネイションの誕生でしょうか、覚醒でしょうか。

「形成」ですね。

調整評議会は、政権移行のためだけの機関ですか。

調整評議会は、シヴャトラナ・ツィハノウスカヤによって主導された、政治的危機の克服と社会における調和確保の道を模索するための機関です。それは「場」であり、社会と政権の間の橋渡し役です。政権側に現在ベラルーシで起きているプロセスへの理解がないことは明白です。そこで、私たちのメッセージは、対話を始めることなのです。それは大半の人々が求めていることであり、彼らなくして動くことはできません。調整評議会は、精神的支柱となる人々、普通の人や著名人によって作られました。ツィハノウスカヤ氏が選挙期間中に作った公約集は、次の項目からなっています。すなわち、収監者の解放、政治的動機による迫害の停止、2004年憲法への回帰…、なお同憲法は大統領の再選回数を制限するという規範を定めています。それにから新しい選挙の実施です。選挙戦からは最初から、シャルヘイ・ツィハノウスキ(セルゲイ・チハノフスキー)氏やヴィクタル・ババルイカ(ヴィクトル・ババリコ)氏が排除されていたし、(ツィハノウスカヤ)選対チームに対しては前例のない圧力がかけられていたのであり、シヴャトラナ・ツィハノウスカヤは、選挙戦は法的規範や民主主義の要件を満たしていなかった、と考えています。そのため、私たちは同選挙は無効であるとの宣言を求めており、新しい選挙の実施を求めているのです。これは私、ヴォリハ・カヴァリコヴァのメッセージではなく、社会のメッセージです。この選挙で人々は26年間ではじめて、行列を作ってまでして投票を行ったのです。

調整評議会はどれぐらいひんぱんに会合を開いていますか。

調整評議会は、70名から構成されており、今のところ7名の幹部会が選出されています。それが毎日会合を開く基本機関となります。評議会は、おそらく拡大していくでしょう。私たちは、ボランティア的サポートをしたいという人々から、数百の参加申込みを受け取りました。しかし、検察からの圧力や脅迫により、評議会メンバーの内の数人は、自らの組織が評議会傘下に入らないよう、今後の評議会への参加を断りました。調整評議会の基本メンバーは6グループに分かれています。それは方向性による区分であり、グループはもっと増えるはずです。そして、それぞれが自らの分野で活動をしていきます。

政権はあなた方と協議を行なう準備、新しい選挙実施への準備を示しましたか。

地方では、状況はより肯定的です。地方自治体の代表者が次々と(協議の)準備がある、と述べています。フロドナ、ブレスト、ヴォルシャ、マラゼチナの自治体が、市民との対話に向かっています。人々が平和な抗議を行ったから対話が可能となったのです。残念ながら、国のレベルでは、そのような反応が見られません。それは、アレクサンドル・ルカシェンコ氏個人と関係があります。同氏は、非常に残酷で、彼にとって対話とは、自らの弱さを示すことを意味するのでしょう。しかし、私は、対話は弱さの表れではなく、強さの表れだと思います。私たちは、理解可能な要求を示していますし、人々は集会、抗議にて、「立ち去れ!」と叫んでいます。私たちは、現政権の辞職を求めていますが、それは現政権が信頼を失ったからです。私たちは、対話が生じることを強く期待しています。残念ながら、最近の報道から分かったことですが、調整評議会のメンバーに対して、刑事捜査が開始されており、彼らが、敬意と平和の口にする人々に対して弾圧と圧力を続けようとしていることは明らかです。彼らは、このように動機やイニシアティブを潰すことをもって、対話の準備がないことを示しています。しかし、私は、それが脅迫のレベルを超えないことを期待しています。

人々の間で抗議に行きたがる人が減っていませんか。あるいは、変化を求めて闘おうという願望は小さくなっていませんか。

おそらく毎日抗議に出るというのは大変でしょう。私たちは、長期的な抗議に慣れていません。しかし、現在、ベラルーシ社会の目に写る政権は正当なものではありませんし、政権は信頼されていません。たとえ抗議の気持ちが今ほど活発ではなくなっても、状況は変わりません。例えば、私たちがストライキを1週間でやめたとしても、政権への信頼は生まれないのです。治安機関は、弾圧、殴打、暴力により、その支持がほぼゼロとなっています。人々が仕事に行くのをやめ、公共料金を払うのをやめることで、危機が深まるかもしれません。しかし、国民は抗議の手段を見つけるでしょう。もし今危機の解決、つまり、拘束者解放、新しい選挙の実施といったことを始めなければ、それは国家における甚大な経済危機を引き起こします。人々は、どこかへ行ってしまうし、ビジネスを営むこともやめ、国家に支払いを行うこともやめます。すると、国家は国民に自らの社会的義務を履行することが不可能となります。それが協議を始めなかった場合のあり得る結果なのです。

シヴャトラナ・ツィハノウスカヤさんについてです。私たちは、彼女の行動は理解していますが、しかし彼女が出国したことで社会に幻滅が生じていませんか。ネイションの誕生は明白ですが、しかしそこにリーダーも誕生したのでしょうか。

シヴャトラナは、ベラルーシを出国する予定ではありませんでした。それは、政権の選んだ、シヴャトラナを孤立させる手段です。私は、彼女が中央選挙管理委員会に入っていく時や、その後も彼女のそばにいました。しかし、政権の選んだ手段は、人々の間に攻撃性、怒りを呼び起こしました。大統領選候補者がクレームの提出のために中央選管に入って、その後行方不明になるという状況が、あなたには想像できますか? ベラルーシ政権が彼女を国から追い出したのであり、彼女が自分で出て行ったのではないのです。私は、社会の幻滅を感じていません。シヴャトラナ・ツィハノウスカヤは皆にとっての存在であり、変化のシンボルであり、勇敢に旗を手にし、その旗を掲げ歩いた人物です。彼女の夫に生じた出来事の後、ベラルーシの人々は彼女と一緒に行く準備ができたのです。彼女のメッセージは誰にも理解できましたし、彼女はそれを実現し続けています。私たちは、最高裁判所に提訴することを計画していますし、私たちの権利を実現するためのあらゆる合法的手段を利用していきます。

あなた方はベラルーシにて、「マイダンは望まない」と繰り返し発言しています。同時に、あなた方は、その言葉を使いこそしませんが、実際にはそれをもう行っていて、そこにはマイダンにあったあらゆる要素があります。すなわち、自らの権威、自らの音楽、自らの災害医療、自らの英雄、新しい市民社会、です。どうして「革命」という言葉を恐れるのですか。

ベラルーシではあらゆる報道機関が国営です。そして、2014年の出来事以降、私たちは皆、脅迫と情報操作と闘ってきました。「あそこ(編集注:マイダン)と同様のことを望むのか? 情報を操作されたいのか?」と言われてきたのです。誰も言葉を恐れているのではありません。しかし、私たちは犠牲を出したくないのです。政権入りのために失われて良い人命などありません。私たち、変化の支持者にとって、人命は貴重です。2014年の暴力について話しているのはルカシェンコだけです。その言葉(マイダン)は、ルカシェンコのみに使用されています。あなた方が理解する「マイダン」と、彼(ルカシェンコ)が理解する「マイダン」は別ものなのです。私たちは変化を欲していますが、私たちは変化が犠牲をもたらすことは望んでいません。そのため私たちは政権に理解可能な平和的手段を提案しているのです。

(編集注:なお、ツィハノウスカヤ氏は25日、欧州議会外務委員会会合にて、現在の抗議は「民主的な革命だ」と述べている。)

ヴォリハさん、あなたはキリスト教系政党を率いています。信者でない人たちも同政党に投票する準備がありますか。

イデオロギーと宗教は、異なるものです。キリスト教的民主主義のイデオロギーは、宗教と一致しません。私たちは、キリスト教的原則を基本にしていますが、それは人類全体の一般原則であり、誰にでも理解できるものです。ベラルーシでは、政治について話をするのがとても困難です。それは単に完全に機能する政治システムがないことが理由です。ベラルーシには、広範な人々に理解可能なイデオロギーを提示できるような政党や委員会は多くありません。

イデオロギーを発展させるには、政治空間を形成し、民主主義に移行しなければなりません。現在、大半の人々は、変化を志向するシステムであればどんなものにでも移行する準備があり、自分たちが良く知った人物をリーダーにすることを志向しています。彼らが第一に考えているのは、イデオロギーについてではありません。

私は、ベラルーシ正教会の複数聖職者も抗議を支持したことに驚きました。

調整評議会には、プロテスタント、正教会、カトリック教会の代表者からも参加申し込みが届いています。彼らの多くが私たちを支持する準備があるのです。彼らを直接評議会に加えるという話はありませんが、彼らは私たちの活動に参加しています。オクレスチナ拘置所に抗議者が収監された際、彼らのもとに6名の聖職者が訪れ、仲介人になって問題を何とか解決しようという姿勢を示していました。

(ウクライナの)マイダンの際、革命とは震撼であり、国家機関が全てを元に戻してしまいかねない、と理解してから、私たちは地方自治体の「代替機関」を作り出しました。あなた方はそのような手段は考えていますか。

国家は機能し続けています。なぜなら現在も体制内部で、多くの専門家が仕事を続けようとしているからです。私たちは、全てを転覆しようなどとは話していません。それは全く持って正しくないことです。私たちは、新しい選挙について話しています。その選挙にて、人々は、自分の期待により近いと思うチームや人に投票するのです。十分な能力を抱く政党の数は多いです。

あなた方のところではネイションが生まれています。しかし、国家自体はロシアという層に包まれています。ベラルーシが政治的ベクトルを変更しない場合、どのような道があるでしょうか。あのような強力で権威主義的な「パトロン」(編集注:ロシア)のそばで、ベラルーシはどのような発展していくのでしょうか。

私は、今のところ全てのプロセスは国内で生じるべき、という考えの支持者です。そして、今のところ物事はそのように進んでいます。私たちは、民主的価値と法の支配を支持しています。

しかし、あなた方のそばにはロシア軍がいます。

それがどうしたのですか?

恐ろしくないですか。

調整評議会は、政治的方向性の変更は目的に据えていません。私たちの課題は、国内の合意と平穏な政権の移行を達成することです。おそらく政権の移行が行われ、人々が大統領、議会、地方議会を選んだら、その時何らかの別の決定が採択されていくでしょう。人々が自らの選択を行わなければなりません。今のところ何らかの選択について話をするのは非常に困難ですし、私たちは、どのようなレベルの問題においても、決定は採択していません。(これまでは)大統領が何でも決めてきましたし、その大統領が市長や地方議会を決めてきました。そして8月9日の出来事は、政権が人々の声を聞かなかったことの結果なのです。ベラルーシ人もまた、自らのベクトルの選択を自分で行わねばなりません。私たちは、全ての隣人と平和に暮らすことに賛成しています。

ラーナ・サマフヴァロヴァ/キーウ

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