露拘束のスシチェンコ記者、日本の鯉の絵を制作

ロシア連邦にて違法に断罪されているウクルインフォルム仏特派員のロマン・スシチェンコ記者は、収容所から家族へと日本の鯉の絵を送った。

ウクルインフォルムが伝える。

絵の裏には、「ロマン・スシチェンコ 2019年 鯉 水彩 7月」と書かれている。

なお、ウクライナでは、日本文化において鯉が、強さ、忍耐力、目的達成のシンボルとされていることが知られている。

スシチェンコ記者は、絵とともに送った手紙の中で、最近病気になり、現在薬を飲んでいるところだと書いている。また、最近、自身の下に手紙が遅れて届いていると伝えた。

スシチェンコ記者は、収容所の部屋には一人であり、普段は絵を描いて過ごしており、家に帰れる日を心待ちにしていると書いている。

これまで報じられたように、ウクルインフォルム通信のフランスの特派員であるロマン・スシチェンコ記者は、2016年9月30日、私的目的でモスクワを滞在していた際に国際ルールに違反する形でロシアの治安機関に拘束された。同年10月7日、スシチェンコ記者にスパイの罪が言い渡された。2018年6月4日、モスクワ市裁判所は、スシチェンコ記者に12年の厳格収容所への拘禁が言い渡された。

スシチェンコ記者は、拘束されている期間、様々な絵を描いており、これまでに、キーウ・ペチェルシク大修道院、ノートルダム大聖堂、聖ソフィア大聖堂(この絵はエピファニー・ウクライナ正教会首座主教に贈呈された)、聖ミコライ教会、リヴィウ、クロアチアのマカルスカの海岸、アテナイのアクロポリス、ジブラルタル、インドのムンバイ、トルコのイスタンブル、ストラスブール大聖堂等の絵を制作している。

2018年には、キーウ市内でこれらの絵の展覧会が開催され、その後ブリュッセル、ワルシャワ、パリ、キシナウ、ニューヨーク、プラハでも展覧会が開かれた。