UEFA、ウクライナの新ユニフォームからスローガン「英雄たちに栄光あれ」の除外要求につき説明

欧州サッカー連盟(UEFA)は、ウクライナ代表の新ユニフォームから「英雄たちに栄光あれ!」のスローガンを取り除くことを要求したことを理由につき説明した。

Tribuna.comの問い合わせに対して、UEFAは「ウクライナに栄光あれ!」と「英雄たちに栄光あれ!」のフレーズを同時に使用するのは、元来政治的場面においてのみであり、歴史的・軍事的意味を持つものだとする見解を発表した

UEFAは、「ロシア・サッカー協会からの懸念表明後、UEFAは、ウクライナ代表のユニフォームの前面のデザインの要素(編集注:クリミアを含むウクライナの領土のシルエット)について自らの立場を確定した。国連加盟国が採択した国連総会決議第68/262にて、領土の境界線は認められており、それが代表ユニフォームに描かれている。このため、それはUEFAの装着品に関するルール第12条の基準に適っており、UEFAは、デザインのその要素の変更は一切要求していない」と伝えた。

同時にUEFAは、ユニフォーム表面にある「ウクライナに栄光あれ!」のスローガンは、2018年に確定されたものであることを認め、このスローガンはUEFAの装着品ルールの第13条と第19条に適うものであるとみなしていると伝えた。UEFAは、同スローガンは一般的かつ非政治的で、全国的な意味を持つフレーズとしてみなすことができるもので、ウクライナ代表のユニフォームにも刻むことのできるものだと指摘している。

他方で、UEFAは、最近ユニフォームに追加された新要素であるスローガン「英雄たちに栄光あれ!」については、UEFAは2020年12月に一度使用を認めたものだとしつつ、しかしながら、その際には二つのスローガン(「ウクライナに栄光あれ」と「英雄たちに栄光あれ」)の繋がりについては審議されていなかったと伝えた。UEFAは、更なる分析を経て、この二つのフレーズが同時に使われるのは、政治的場面のみだとみなせること、また歴史的かつ軍事的意味を持つものだとする決定を採択したと述べている。

UEFAは、このため、UEFAの装着品ルール第5条に従い、UEFAが主催する試合において同ユニフォームを使用するためには、「英雄たちに栄光あれ!」のスローガンは除外しなければならないと主張している。

なお、現在ウクライナ・サッカー連盟がUEFAと本件に関する協議を行っている。

写真:UEFA