ウクライナ政府、クリミア・タタール語のラテン文字アルファベットを確定

22日、ウクライナ閣僚会議(内閣)は、主に先住民クリミア・タタール人により用いられるクリミア・タタール語のラテン文字アルファベットを確定した。これにより、クリミア・タタール語は、キリル文字からラテン文字への移行がウクライナ政府レベルで確定したことになる。

一時的被占領地再統合問題省広報室が公表した

決定は、2021年2月26日付大統領令「一時的被占領下クリミア自治共和国・セヴァストーポリ市脱占領・再統合を目的とした個別方策」第5条2項に基づいたものだと説明されている。

また、今回の決定により、クリミア・タタール語教育は2025年9月1日までにラテン文字使用に移行することが定められた。

オレクシー・レズニコウ副首相兼一時的被占領地再統合問題相は、「ラテン文字アルファベットの確定は、ウクライナの先住民方採択と並ぶ、今年二つ目の根本的決定である。クリミア・タタール民族は、同決定を30年間待ってきた。これは体系的作業の一部である。2021年4月には、再統合省の手動で、政府はクリミア・タタール語発展コンセプトを確定した。(編集注:キリル文字から)ラテン文字への移行は、同コンセプト履行における戦略的行動の一つである。(中略)ラテン文字への移行は、一時的被占領下クリミアの住民も支持しているということが重要である。新しい段階が始まる。文化、メディア、教育といった諸分野の具体的プロジェクトを通じて、生み出された可能性を実践に移さなければならない」とコメントした。

今回確定されたのは、31文字からなるアルファベット。同決定は、1991〜93年のクリミア・タタール民族大会「クルルタイ」の決定をベースにしている。

画像:スナヴェル・セイトハリル一時的被占領地再統合次官(フェイスブック

レズニコウ氏はまた、「今後、クリミア・タタール語は、1991年以降、あるいは現在、ラテン文字に移行したその他のテュルク諸語とのより調和した形で発展していくことになる。重要なのは、それがウクライナにとって、戦略的パートナー国を含むテュルク諸国との連携の追加的可能性を作り出すことである」と指摘した。

同氏はまた、再統合省は、これまでにクリミア・タタール児童向けテレビ局「リャリェ」への予算拠出、クリミア・タタール語版ウィキペディアの記事執筆マラソンの開催を実施してきたことを紹介した。

また、イーホル・ヤレメンコ同省次官は、現在、クリミア・タタール語2022〜2032年発展戦略と同履行計画の作成作業が最終段階に入っていると報告した。