クリミア在住女性、スパイ罪で実刑12年 ウクライナ政権は非難

被占領下クリミアのロシア占領政権の「裁判所」は、バフチサライ市出身のハリーナ・ドウホポラ氏に対して収容所拘禁12年の実刑判決を言い渡した。

29日、露インターファクス通信が報じた

報道には、いわゆる「セヴァストーポリ市裁判所」にて「バフチサライ市出身の1955年生まれの女性が、外国の代表者によって、ウクライナ国防省情報総局との共謀へと関与させられていた」と説明されたと書かれている。

占領政権の捜査側は、この女性は、ウクライナ情報機関からの課題で、ロシア連邦黒海艦隊独立航空連隊の情報収集を行っていたという。

これに対して、ウクライナ最高会議の人権問題全権であるリュドミラ・デニーソヴァ氏は、テレグラム・チャンネルにて、今回、ロシア占領政権のいわゆる裁判所にて違法判決が言い渡されたのは、ウクライナ国民のハリーナ・ドウホポラ氏であると伝えた

デニーソヴァ氏は、ドウホポラ氏は12年間の一般収容所にて自由が剥奪されることを伝えた上で、今回の裁判は、これまで同様報道機関のアクセスのできない非公開審理であったとし、罪の捏造を示すものであり、違法行為だと非難した。同氏は、クリミアでは占領政権によるウクライナ国民への政治的弾圧が継続していると指摘した。

その上で同氏は、「国際社会に対して、ロシア連邦が一時的占領下クリミアにて違法に拘束している全てのウクライナ国民を速やかに解放し、彼らに対する粛清を止めるよう、同国に対する圧力を強化するべく、あらゆる可能な手段を行使するよう呼びかける」と伝えた。

なお、ハリーナ・ドウホポラ氏は、2019年11月27日にロシア占領政権治安機関に拘束されていた。

写真:デニーソヴァ最高会議人権問題全権(テレグラム)