露製コロナワクチンを購入するための根拠はない=医薬品調達関係者

国営企業「ウクライナ医薬品調達」社のアルセン・ジュマジロウ総裁は、ロシア製コロナワクチン「スプートニクV」に関し、より安価かつ信頼できるワクチンがある中、あえて同ワクチンを購入する根拠はないと指摘した。

ジュマジロウ氏がフェイスブック・アカウントにて見解を示した

ジュマジロウ氏は、ワクチン候補である「スプートニクV」の製造過程と治験過程を「疑わしい」と述べ、「モスクワ・ガマレイ研究所は、後発で製造を開始したのだが、治験の第2段階の終了は昨年夏、どこよりも先に発表されたのだ」としつつ、その上で、同ワクチン候補の治験第3段階の終了は発表されておらず、結果も公開されていないと指摘した。

さらに同氏は、ロシアがウクライナに軍事侵略をしている中で、感染症克服の上でロシア国家に期待するのは、「控えめに言って、無知である」と指摘した。

同時に、同氏は、ロシアのコロナワクチン候補の属する分野には、その他にも多くのワクチン候補があるとし、世界中で18の製造業社が様々な段階の治験を行なっていると指摘しつつ、その中には、英国など複数の国での使用許可を得たアストラゼネカ社のものもあると伝えた。

その上で、同氏は、「つまり、現時点で、同分野により安く、より効果的で、より信頼できるワクチンがある中で、ロシアの製品を注文するための合理的根拠は一つもないのだ」と説明した。

なお、プーチン露大統領は、昨年8月にロシアの最初のコロナワクチン「スプートニクV」の登録を発表した。しかし、諸外国の専門家は、同ワクチンの効果に疑問を提示している。

ウクライナ保健省は、国家のレベルで、ロシア製コロナワクチンの購入・獲得に関する協議は一切行なっていないと発表している。

写真:CTK Photo/ウクルインフォルム