占領地「裁判所」、クリミア・タタールTV局オーナーに有罪「判決」

被占領下クリミアにおける「最高裁判所」は、クリミア・タタール系テレビ局「ATR」のオーナーである、レヌール・イスリャモフ氏に対して、遠隔で、厳格収容所への19年の収容の実刑「判決」を言い渡した。

10日、市民記者ネットワーク「クリミアの連帯」がニコライ・ポロゾフ弁護士の発言をフェイスブック・アカウントにて伝えた

ポロゾフ氏は、「裁判所」の刑期は「イスリャモフ氏がロシア連邦領で拘束された時、あるいは他国から引き渡された時から」数えられることになると説明した。

その他、ポロゾフ氏は、「判決」には、イスリャモフ氏に対する報道活動の禁止(2年)や、刑期後の活動制限(1年)なども含まれると指摘しつつ、同時に「私が弁護した人物は、クリミアにおけるロシア連邦の司法管轄を認めていない。また、言うまでもなく、私たちは、クリミア『共和国最高裁判所』の『判決』をソチ市の一般第三控訴裁判所に控訴する」と発言した。

同氏は、イスリャモフ氏の「裁判」には、民族を根拠とした差別が見られるとし、ロシアは国際法規範に違反しているとか投げていると発言した。

同氏は、「国連総会は複数の決議にて、また国連高等人権弁務官も、ロシア連邦に対して、クリミア・タタール人に対する複数の刑事訴追は、意図的な政治的差別であると指摘している。ロシアは、いまだに国際司法裁判所(ICJ)の決定を履行していない。同裁判所は、ロシア政権のクリミア・タタール人に対する行動に、人種差別撤廃条約への違反があるとしている。レヌール・イスリャモフもまた、民族的クリミア・タタール人であるのだ」と指摘した。

発表によれば、イスリャモフ氏は、ロシア国内法の認めていない軍事集団を創設したこと、破壊工作(クリミア・エネルギー封鎖)、組織的な大規模資産損害、マスメディアを使ったロシアの領土一体性侵害を目的とした行為の公の場での呼びかけ6回、により有罪判決を下されたとのこと。

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