クリミア占領時のウクライナ海軍掃海艇をめぐる映画「チェルカーシ」 新しい予告動画公開

動画

2月にウクライナ全国の映画館にて上映の始まる、2014年のロシアによるクリミア占領時におけるウクライナ海軍の掃海艇での人々のドラマを描いた軍事アクション映画「チェルカーシ」の新しい予告動画が公開された。

国家映画庁広報室が発表した

発表には、「この映画は、クリミア併合から6年が経過する2020年2月27日に、ウクライナ全国での上映が始まります」と書かれている。

映画「チェルカーシ」は、ティムール・ヤシチェンコ監督による長編映画。2014年春の実際の出来事をもとに制作されている。ウクライナ海軍を題材にした初めての映画でもある。実際のウクライナ海軍掃海艇「チェルカーシ」は、2014年春のクリミア占領の際、ロシア軍によりドヌズラウ湖に閉じ込められながら、3週間にわたり抵抗し続け、当時9つあったウクライナ海軍艦船の中で最後までウクライナ国旗を下げなかった艦船である。

この掃海艇チェルカーシの指揮官であるユーリー・フェダシュ氏は、映画製作チームの撮影に協力している。また、映画の俳優陣には、フェダシュ氏の下で2014年にチェルカーシに乗っていた実際の海軍軍人も参加。この映画は、ウクライナ海軍と参謀本部の協力を得て制作されており、軍からは海軍の実際の艦船や軍用の特殊機材を撮影のために提供しており、アクションシーンの撮影には、軍の戦闘機や、海軍特殊任務部隊「モルシキー・コーティキ」を含む、100人近い軍人を参加させている。いくつかのシーンは、ウクライナ海軍の訓練中に撮影が行なわれた。

同映画の撮影は、オデーサ、キンブルン砂州、オチャキウ港近海など、黒海沿岸にて39日間にわたって行なわれたとのこと。「チェルカーシ」の船上のシーンは、複数の艦船にて撮影されたという。

制作会社は、ウクライナのMKKフィルム・サービス社とポーランドのインター・メディア社。ウクライナの国家映画庁のサポートを得て制作された。

映画「チェルカーシ」の試写会は、2019年7月16日にオデーサ国際映画祭にて行なわれている。また、2019年10月のワルシャワ国際映画祭にも出展した。