キーウ市内に無国籍問題を伝える壁画が登場 国連機関キャンペーン

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キーウ(キエフ)市内ポジール地区に、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の無国籍者問題を啓蒙するキャンペーン「#IBelong」を伝える壁画「小さな国民」が発表された。

7日、ウクルインフォルムの記者が伝えた。

UNHCRウクライナ事務所のパブロ・マテウ代表は、「この壁画には、ナショナリティー、国籍を求めている子どもが描かれています」と説明した。

この壁画は、キーウ市ヤロスラウシカ通り11の建物に制作されたもの。壁画に描かれた子どもは、手に「私は国民」と書かれた手作りのウクライナ国民身分証明書を持っている。子どもの後ろには、窓が描かれており、外にはクリミアの「ツバメの巣」城と海の景色が見える。

壁画は、2024年までに無国籍者問題の解決を目指すUNHCRのキャンペーンの一環で制作されたものとのこと。

壁画を描いた画家のカテリーナ・ルダコヴァさんは、制作コンセプトとして、「ウクライナは今、クリミアや東部に関連し、複雑な状況にあります。約2年前、フェイスブックである投稿を見たとき、私はとても心を動かされました。その投稿では、クリミアの男の子が自分のためにウクライナ身分証明書の絵を描いていました。子どもですら、自らのアイデンティティを定めようとしているのです。今年、無国籍者問題を扱う壁画を制作するというアイデアを見かけたとき、私は、涙の溢れる悲しそうな子どもは描かないことにしました。そうではなく、希望に溢れるもの、国民になりたいと夢見る人、実現し得る夢を描きたかったのです」と説明した。

なお、UNHCRによれば、現在ウクライナには、3万5000人以上の無国籍者が居住しているとのこと。