ロシアから解放されたスシチェンコ記者、欧州人権裁判所へ訴訟を申し立てると発言

ロシアにて政治囚として拘束されていた、ウクルインフォルム通信の記者ロマン・スシチェンコ氏は、ロシア連邦を相手に欧州人権裁判所で訴訟を起こすと発言した。

16日、スシチェンコ氏がタラス・シェウチェンコ記念キーウ(キエフ)国立大学ジャーナリスト学部での学生との面会イベントの際に学生からの質問に答えて発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。

スシチェンコ氏は、「私たちは、弁護士とそのことについて話してきた。(中略)私たちは、欧州人権裁判所に、本件についての訴訟を申し立てるつもりだ」と発言した。

なお、スシチェンコ氏は以前、ロシアの弁護士マルク・フェイギン氏とともに、国際場裏で政治囚拘束問題を扱っていく意向を発言していた。スシチェンコ氏は、「私たちは、政治囚が生じることを予防するための、メカニズム、ルール作りを行うべく、国際社会にイニシアティブを提示していきたい」と述べていた。

なお、スシチェンコ氏は、2016年9月30日、同氏がパリから私的な用事でモスクワを訪れた際、国際的規範に反する形で拘束された。2016年10月7日、ロシアの裁判所により、スシチェンコ氏はスパイ容疑で逮捕された。

2018年6月4日、モスクワ市裁判所は、スシチェンコ氏に対して厳格収容所での懲役12年の有罪判決を言い渡した。同年9月12日、ロシア連邦最高裁判所は、同判決を合法だと認定した。

本年9月7日、ウクライナとロシア連邦の間で35名対35名の被拘束者交換が行われ、その際、スシチェンコ氏は、オレフ・センツォフ映画監督、オレクサンドル・コリチェンコ活動家、パウロ・フリーブ氏、ヴォロディーミル・バールフ氏、ウクライナ海軍軍人24名らとともに解放され、ウクライナへ帰還している。