フィラレート宇正教会名誉総主教、キーウ聖庁の「再生」を一方的に宣言

ウクライナ正教会が統一・独立する以前の「ウクライナ正教会キーウ聖庁」の総主教を務めていたフィラレート現ウクライナ正教会名誉総主教は、独自の「会議」を開催し、同「会議」がウクライナ正教会キーウ聖庁の解体決定を無効化するとし、同聖庁の活動再開を発表した。

20日、フィラレート名誉総主教が、いわゆる「会議」の終了後の記者会見時に発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。

フィラレート氏は、「(2018年)12月15日にコンスタンティノープル総主教庁の会議があり、そこにはキーウ府主教区も加わっていたため、私たちは(ウクライナ正教会独立の文書)『トモス』を得るために、形式的にキーウ聖庁の存在を諦めねばならなかった。今回の会議で、私たちはこのキーウ聖庁の廃止を無効化した」と発言した。

また、フィラレート氏は、今回の「会議」にてキーウ聖庁の存在を確定させたと発言した。

これに対して、同日、ウクライナ正教会は、フィラレート氏が招集したいわゆる「会議」は、意味のないものであり、法的な効力を一切持たないと発表した。同日ウクライナ正教会が声明を発表した。

声明には、「このような集まりは、いかなる場合も『統一会議』とは認められず、彼らの決定ははじめから法的にも教会法的にも無意味であり、法的効力をもたず、履行対象とならない」と強調されている。

ウクライナ正教会は、フィラレート名誉総主教と同日のヴォロディーミル大聖堂に集まった人々に対して、このような行動の悪影響を認識し、教会と民の分断を止めるよう呼びかけた。