ウクライナのモスクワ聖庁支持者は15%のみ=エピファニー・ウクライナ正教会首座主教

ウクライナ正教会のエピファニー首座主教は、約過半数のウクライナ国民が統一されたウクライナ正教会を支持していると発言した。

エピファニー首座主教がウクルインフォルムへのインタビュー時に発言した。

首座主教は、「キーウ(キエフ)国際社会学研究所の最新の世論調査により、50%以上のウクライナ国民がウクライナ正教会を支持しており、ウクライナのモスクワ聖庁を支持している者は14~15%に過ぎないことがわかっている。ウクライナ正教会は、認められ、統一し、ウクライナ社会の大きな支持を受けているということである」と強調した。

エピファニー首座主教はまた、各地域における、統一ウクライナ正教会とモスクワ聖庁の聖職者の割合について説明した。同首座主教は、「例えば、リヴィウ州のモスクワ聖庁のプレゼンスは最小限である。私たちの小教区は約1000あり、モスクワ聖庁の小教区は数十である。イヴァノ=フランキウシク州も同様の状況である。つまり、西部では、(統一ウクライナ正教会の)聖職者は、ほぼウクライナ・ギリシャ・カトリック教会と同程度である。信者の割合は、西部のリヴィウ州、テルノーピリ州、イヴァノ=フランキウシク州では、およそ60%がウクライナ・ギリシャ・カトリック教会、40%がウクライナ正教会である。それに少しながらモスクワ聖庁の信者もいる」と発言した。

同首座主教は、中部の聖職者の数になると、統一ウクライナ正教会とモスクワ聖庁が50:50となると説明する。そして、首座主教は、「ウクライナ東部へ進むと、統一ウクライナ正教会の聖職者が少なくなっていく。ドネツィク州、ルハンシク州といった東部では、60~70%がモスクワ聖庁の聖職者で、ウクライナ正教会聖職者は30%程度しかいない。オデーサ州のようなウクライナ南部も同様である」と発言した。

これまでの報道にあるように、2018年12月、キーウではウクライナ正教会の統一会議が開催され、その際、統一されたウクライナ正教会が創設され、当時のフィラレート・ウクライナ正教会キーウ聖庁総主教の補佐的役割を担っていたエピファニー主教が首座主教に任命されていた。新たに統一されたウクライナ正教会には、それまで存在していた同正教会のキーウ聖庁、自治独立派、及びモスクワ聖庁の2名の聖職者が合流した。これを受け、2019年1月、コンスタンティノープル全地総主教庁が新たに創設されたウクライナ正教会に独立に関する文書(トモス)を付与していた。