イヴァノ=フランキウシク州で、ウクライナ蜂起軍の文書が発見

西部イヴァノ=フランキウシク州、ロハティン市近郊にて、地元住民3名が地中から、ウクライナ蜂起軍(UPA)の文書の入った金属の瓶を発見した。その中には、同軍最高司令官のロマン・シュへーヴィチを風刺する絵も入っていた。

18日、ロハティン市議会が発表した。

発表には、1月17日にリヴィウ市の国立ロンツィキー牢獄博物館館長が3名から発掘物を受け取ったと説明されている。3名は、今回の文書を偶然発見し、歴史的価値があるかもしれないと大変驚いたと述べていたとのこと。発見された文書の中には、UPAのリヴィウ州、テルノーピリ州、現在のポーランド領東部の「ザケルゾンニャ」地域での活動内容を示すものが含まれる。発表には、ロハティン地方に長期滞在していたロマン・シュへーヴィチUPA最高司令官へと渡されたものかもしれないと指摘されている。また、珍しいものとしては、同最高司令官を風刺する絵が含まれているとのこと。他には、ソ連の文書、勲章、チェコ語が書かれた宣伝広告、報告書、保安庁文書、会計報告書が含まれていることが伝えられた。

なお、金属瓶が埋まっていたのは、深さ15~20センチ程度の土中だったとのこと。

ロマン・シュへーヴィチ(Roman Shukhevych)(1907~1950)は、ウクライナの政治家・活動家であり、ウクライナ民族主義者組織(OUN)のハリチナ地方司令部の構成員であった。また、ナチス・ドイツ国防軍の外国人部隊を構成したウクライナ人部隊「ナフチガル」の司令官を経験(1941~42年)。また、その後、ウクライナ蜂起軍(UPA)最高司令官兼ウクライナ総蜂起評議会局長(1943~50年)に就いていた。

1946~47年、ロハティン地区クニャヒニチ村には、非合法シュへーヴィチUPA最高司令部があった。現在、この本部があった建物は、ロマン・シュへーヴィチ博物館となっている。