ゾリャー大主教、ウクライナ正教会独立に関するロシア発の偽情報を否定

ウクライナ正教会の独立に関するトモス(公布文書)は、コンスタンティノープル全地総主教の署名を得て、1月6日に発効している。聖会議メンバーの署名がないことを根拠に、トモスの効力を疑うことは正しくない。

8日、イェウパトラチー・ゾリャー大主教が自身のフェイスブック・アカウントで説明した。

ゾリャー大主教は、「技術的には、トモスは、全地総主教と聖会議の独立に関する決定であり、法典に加えられたものである。1月6日に授与された文書は、ウクライナのための公式な写しであり、そのことは、トモス自体の最下部にこう書かれている。『この総主教と聖会議のトモスは、私たちの偉大なキリストのコンスタンティノープル教会の法典に書き込まれ署名されており、完全な写しの形で、ウクライナ正教会のエピファニー首座主教とその国のペトロ・ポロシェンコ大統領に手交された』。ウクライナのための公式な写しにある日付は、2019年1月6日となっている。つまり、トモスの効力に関し、聖会議を構成する府主教の署名がないとして、疑義を呈することは、全地総主教の公の正しさを疑うことを意味する。全地総主教は文書に署名をしており、当該決定が既に総主教庁法典に書き込まれ、署名済みであることを示しているのである」と説明した。

また、ゾリャー大主教は、1月6日でのトモスの発効は、ヴァルソロメオス1世全地総主教の署名以外にも、同日、全地総主教とエピファニー・ウクライナ正教会首座主教が共同の聖体礼儀を行ったことでも示されていると指摘した。

その上で、同大主教は、「現在ロシアの偽情報メディアが、『(ウクライナ正教会は)誤ったはちみつを与えられた誤ったミツバチである』と言わんがために、何とかして細部に問題を見つけようとし始めているが、そのようなことは意味がない。ロシアのマスメディアは、呼吸をするかのように、嘘を吐き出している。そして、1月9日に、聖会議の会合が始まり、参加する主教が署名をした後に、引き続きロシアのマスメディアが『独立は本物でない』と言うために何かしらの嘘を続けたとしても、何ら驚くようなことはないのである」と説明した。

なお、ロシアのマスメディアは、キリル掌院の発言を参照して、コンスタンティノープル総主教だけが署名したトモスは聖会議のメンバーが署名していないので効力がない、と報じていた。

これに先立ち、1月5日、ヴァルソロメオス1世コンスタンティノープル全地総主教が、このウクライナ正教会に独立を与えるトモスに署名をしていた。このトモスには、コンスタンティノープル全地総主教庁は、ウクライナにおいて、自らの宗教上の子の立場となる独立教会を設立することが宣言されていた。1月6日、ヴァルソロメオス全地総主教から、エピファニー・ウクライナ正教会首座主教にこのトモスが授与された。