世論調査:人権のために重要な「価値」は?ウクライナ人の回答は「自由」

80%のウクライナ国民が、最も重要な価値として、「自由」を選んだ。

10日、民主イニシアティブ基金が市民団体「人権情報センター」と共同で行った世論調査の結果が「人権の日」に合わせて発表された。ウクルインフォルムの記者が伝えた。

ベケシキナ民主イニシアティブ基金代表は、記者会見時、「人権のために重要な価値は何か?人々の回答で圧倒的に多かったのは、『自由』でした。もしかしたら、ウクライナ人が最も重要だと考える価値観が『自由』であること、それが人権、とりわけ自分の権利のために最重要だとみなしていることを考えれば、ウクライナで起こる非常に多くの出来事について理解ができるかもしれません。私は思うんですが、ですから、ウクライナに権威主義体制はあり得る、という話は、そもそも背景のないものだと思うのです。そこが、私たちと東の隣国との異なるところです」と指摘した。

世論調査によると、次に選ばれたのは、「正義」(70%)、「安全」(67%)であった。

同時に、ベケシキナ代表は、「寛容」を選んだ回答者が25%しかいなかったことを指摘し、「私たちの社会の問題は全て、ここから生じているように思います」と強調しつつ、「もし、『自由』という価値が、その他の価値、例えば、法律を遵守する『順法』や、他者への尊重や理解である『寛容』と結びつかなければ、自由は、別のもの、人権にとってもかなり危険なものになりかねないのです。その時、自由は、無秩序に成り果てます」と説明した。

また、権利を制限しても良いのはどのような対象か、との問いに対する回答は、麻薬中毒者が最も多かったとのこと。同時に、LGBT+に対する権利制限が認められると考える人は20%、ロマ人に対する制限が認められると考える回答者は11%であった。

また、ベケシキナ代表によれば、戒厳令が人権制限の根拠になると思う者は、2016年より約2倍増加し、約20%に上ったとのこと。また、同代表は、経済権利や社会権利や裁判所への起訴の有効性に関する理解は肯定的な傾向が見られるが、政治的権利の理解には否定的な傾向があると指摘した。

世論調査は、ウクライナ全土(被占領地除く)の2000名を対象に実施したとのことで、国際連合開発計画(UNDP)の支援を受けて行われたとのこと。