国連人権監視団長:クリミアの人権状況に変化なし

国際連合(国連)ウクライナ人権監視団は、クリミアにおける人権侵害と国際人道法違反を記録し続けており、過去10か月間改善は一切見られていない。

フィオナ・フレイザー国連ウクライナ人権監視団団長が、「週の鏡」紙へのインタビューで述べた。また、同団長は、人権だけでなく、国際人道法も違反されていると指摘した。

今回の国連人権監視団の報告は、2017年9月13日から2018年6月30日の期間のもの。

フレイザー団長は、インタビューにおいて、「クリミアの人権状況に変化はありません。私たちは、人権違反を記録し続けています。私たちが言えるのは、この10か月クリミア半島で状況の改善は一切なかったということです」と述べた。

国連人権監視団は、人権分野の国際法と国際人道法を通じた状況の分析を行っている。これら国際法によって、被占領下の住民の保護のレベルを示すことが可能となっている。国際人道法の規範が適用され始めたのは、2016年12月に国連総会において、ロシアが占領国家と定義されたからである。

フレイザー団長は、ロシアによる国際人道法への違反について、こう説明する。「国際人道法は、占領国であるロシアに対して、複数の義務を課しています。例えば、自国法を適用しないことや、自国の国籍を強制しないことです。被占領地の住民は、ロシア連邦軍に強制的に徴兵されてはいけません。しかし、私たちは、クリミアでこれらを全て確認しています。例えば、2014年からは、公式統計データによれば、1万2000名のクリミアの住民がロシア軍に徴兵されました。さらに、占領国は、拘束者や拘禁者をクリミアからロシア領へ移動させてはならないのですが、現実には、2014年までに拘束されるか拘禁の刑を言い渡されていた人達が、裁判や刑執行のためにロシア領に移送されています。」