ゼレンシキー大統領、湾岸諸国の首脳と和平案につき協議

ウクライナのゼレンシキー大統領は8日、カタール、クウェート、バーレーンの首脳とそれぞれ電話会談を行い、ウクライナが提案する和平案「平和の公式」実現などにつき協議を行った。

カタールのタミーム・ビン・ハマド・アール・サーニ首長との電話会談では、ゼレンシキー大統領は、テレグラム・チャンネルにて、「ロシア人より違法に追放されたウクライナの児童の帰還において、カタールの重要な仲介の役割と首長個人の立場につき感謝している。私たちは、その方向での今後の調整について協議した」と伝えた

また同氏は、カタールが「ウクライナからの小麦」イニシアティブへの総額2000万ドル拠出したことに言及し、ウクライナはロシアが黒海の平和な航行を妨害しようとしている中でも、引き続き世界の食料安全保障の保証国であり続けると明言した。

さらに両者は、ウクライナの和平案「平和の公式」実現作業の継続と今後の「グローバル平和サミット」の組織につき話し合った。

また、ゼレンシキー氏は、ダボスで開催される次回首脳補佐官級会合にカタールを招待した。

クウェートのミシュアル・アル・アフマド・アル・ジャービル・アル・サバーハ首長との電話会談につき、ウクライナ大統領府広報室は、ゼレンシキー大統領は、国連のウクライナ関連重要決議の投票時におけるクウェートによるウクライナの主権と領土一体性への支持や、冬季を前にした発電機供与支援につき謝意を伝えた

同氏はまた、ロシアが年末年始に再開しミサイルテロとその対抗につき報告した。

両者は、エネルギー分野と農業分野における協力の展望につき話し合った。

ゼレンシキー氏は、ウクライナは、黒海の航行の自由を保障しており、それにより世界の食料安定性の保証国であり続けているとし、また公正な平和の回復のために最大限の努力をしていると伝えた。

加えて同氏は、「私たちは、『平和の公式』実現のための今後の行動に向けて活発に活動している。湾岸諸国の声と立場はその点で重要だ」と強調した。

同氏は、クウェート代表者を次回のダボスで開催される補佐官会合に招待し、また将来の「グローバル平和サミット」の準備へも参加するよう招待した。

バーレーンのハマド・ビン・イーサ・アール・ハリーファ国王との電話会談につき、ウクライナ大統領府広報室の発表では、ゼレンシキー氏は、これが両国首脳の初の対話であることを指摘し、また昨年バーレーン外相が初めてウクライナを訪問したことを喚起した

ゼレンシキー氏は、「私は、首脳レベルでコンタクトが確立されたことで、ウクライナ・バーレーン関係の新しいページが開かれることを期待している」と述べた。

両首脳は、二国間連携、世界の食料安全保障、「平和の公式」につき協議した。

ゼレンシキー氏は、バーレーン代表者が過去の「平和の公式」実現補佐官級会合に参加したことにつき謝意を伝え、ダボスで開催される次期会合へも招待した。

また、同氏は、ウクライナが黒海の不断の穀物輸出維持、世界の食料安定確保のためにとっている方策を説明した。

なお、ウクライナが提案する和平案「平和の公式」の実現に向けた首脳補佐官級会合は、これまでに昨年6月にコペンハーゲンで、8月にジェッダで、10月にマルタで開催されており、今月中にスイス・ダボスで4回目の補佐官級会合が開催される見込みとなっている。