オープンな戦争の期間はウクライナに仲介人は必要ない=ウクライナ政権関係者

ウクライナ大統領府の欧州・欧州大西洋統合を担当するジョウクヴァ副長官は、現在のロシアとの戦争に終止符を打てる唯一の手段は、ウクライナが提案している和平計画であると発言した。

ジョウクヴァ氏がロイター通信へコメントした

ジョウクヴァ氏は、ウクライナはロシアの領土奪取を確固たるものにてしまうような停戦に興味はないと発言した。同時に同氏は、ウクライナはロシア軍の完全撤退を想定している自らの和平計画(編集注:平和の公式)の実現を要求していると伝えた。

また同氏は、過去数か月中国、ブラジル、バチカン、南アフリカから聞かれている「和平イニシアティブ」を拒否し、「ウクライナにおける戦争について話す場合、ブラジル和平計画やら、中国和平計画やら、南アフリカ和平計画やらはあり得ない」と発言した。

その他同氏は、ウクライナにとって現在いわゆる「グローバルサウス」と呼ばれる国々の支援を得ることが優先課題だと発言し、ウクライナは全面戦争開始当初、何よりも西側のパートナー国との繋がりの強化を求めていたものの、平和の確保はあらゆる国の関心時だと指摘した。

同氏はまた、占領されているウクライナ領を「政治的問題」と形容するローマ教皇による、ロシアとの対話への呼びかけは重視せず、「現在のオープンな戦争の期間は、私たちにはどのような仲介人も必要ない。仲介には遅すぎる」と強調した。

さらに同氏は、G7首脳会議の際のウクライナの10項目の和平計画(「平和の公式」)への反応は極めて肯定的だったと指摘し、「(G7)の国々からはどの公式も懸念を招かなかった」と伝えた。

中国がモスクワとキーウへ送った特別代表については、ジョウクヴァ氏は、同特別代表に対しては戦場の状況やザポリッジャ原子力発電所の状況、ウクライナの電力システムに対する攻撃、ウクライナの子供たちのロシアへの連れ去りといったロシアの戦争犯罪について詳細に伝えたと発言した。

同氏は、「彼は非常に注意深く聞いていた。即時の回答はなかったが…。見てみようではないか。中国は、国際問題における自らの役割を理解している賢明な国だ」と強調した。

ロイター通信はまた、過去1か月、ゼレンシキー宇大統領がグローバルサウスを関与させるための真剣な試みを行ったと伝えている。ゼレンシキー大統領は、5月19日にはサウジアラビアにてアラブ連盟首脳会議に出席し、ムハンマド・ビン・サルマン・アール・サウード皇太子、イラクなどの国の代表団と協議を行った。

広島でのG7首脳会談では、ゼレンシキー氏は、インドとインドネシアの首脳と会談していた。