ウクライナ大統領代表部、クリミア脱占領に向けて住民への勧告一覧を公開

ウクライナのクリミア自治共和国ウクライナ大統領代表部は5日、クリミアの脱占領と同地にてあり得る戦闘行為が生じる際に住民が取るべき行動についての勧告一覧を公開した。

クリミア代表部がフェイスブック・アカウントにて発表した

発表には、「クリミアは脱占領される。そのため、様々な情勢展開シナリオに備えておき、安全ルールを守り、ウクライナ軍を支援することが重要となる。私たちは、民間人のために、脱占領時、及び、クリミアでのあり得る戦闘行為の際にどのように行動すべきかについての勧告を作成した」と書かれている。

クリミア住民への勧告内容の中には、軍事施設近くに居住している人は可及的速やかにその場を離れるよう呼びかけられており、退避は戦闘が行われている時ではなく、戦闘が始まる前に行うよう勧告されている。

また、戦闘が生じた際にはより安全な地区へと移動しなければならないとある他、違法に建設された「クリミア橋」の近くは安全ではないと書かれている。

ロシア占領政権が用意する避難ルートは利用すべきではないとも勧告されている。

さらに、避難の際には、移動手段(自動車)の全ての側に白い布を結びつけ、車両後部や側部の窓には「人」と目立つように文字を見える形で書き込むよう、また子供がいる場合には「子供」と書くよう呼びかけられている。

また、就寝のできるシェルターの準備をし、親族・近親者に対してシェルターの位置を伝えることが勧められている。

発表には、「代表部の情報によれば、被占領下半島の多くのシェルターが使えない、閉鎖されている、あるいは単にごみで詰まっている。占領政権の嘘の発表は信じずに、自分で安全を確保して欲しい。普通の地下や、シェルターとして使えない場所には隠れてはいけない」と書かれている。

その他代表部は、携帯電話を充電した状態にしておくべきだが、占領政権が通信を遮断する場合にも備えておくべきだと伝えた。また、応急処置の手段を把握し、緊急避難用バッグを用意しておくよう勧告した。

また自動車のガソリンを一杯にしておき、予備の燃料も用意しておくべきだと書かれている。

砲撃や戦闘があった場合には、窓の近くには絶対に近寄らないよう呼びかけられている。さらに、シェルターへ入るのが間に合わなかった場合は、「壁2枚ルール」を利用するよう勧告されている。

市街戦が生じた場合は、シェルターを出てはいけないとあり、その際にはまた占領軍とのやりとりも一切避けるよう呼びかけられている。

ロシア兵の遺体や、道を塞いでいる物はいかなる物であっても触れてはいけないと書かれている。

またウクライナ国民に対して、ウクライナ軍を待ち、軍の勧告を履行するよう呼びかけられた。

同時に「忘れないで欲しいが、敵は住民を騙したり、ウクライナ軍の評判を落とすために、ウクライナ軍の軍服を着ている可能性がある。注意して欲しい。ウクライナ軍人は、テロを行ったり、民間人を盾にしたりはしない」と書かれている。

なお、9月1日、ウクライナ国防省は、ロシアに2014年から占領されている南部クリミアの住民に対して、ロシア軍の機材の位置をオンラインで報告するよう呼びかけていた。

また、タシェヴァ・クリミア自治共和国ウクライナ大統領常駐代表は8月31日、クリミアにて爆発が恒常的に発生していることに関連し、クリミア在住のウクライナ国民に対して、基本的安全方策をとるよう、軍事施設からはできるだけ早く離れ、必要な物をまとめ、シェルターへのアクセスを確認しておくよう呼びかけていた。

ゼレンシキー大統領は9月4日、ウクライナはクリミアの全ての人々に自由を取り戻すと発言している