米国務省、ノルド・ストリーム2への新しい制裁発動の可能性は排除しないと発表

米国政府は、ロシアに独露間ガスパイプライン「ノルド・ストリーム2」を武器として利用させないようにするために、制裁を含めた手段を行使する準備があると発表した。

22日、プライス米国務省報道官が記者会見時に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。

プライス報道官は、「完全に明確にするために言うが、私たちは、私たちの取り得る手段を一つも断念していない。私たちは、実質的に、武器庫に新たな手段を複数追加している」と発言した。

同氏は、米政権は、国内法で定められた制裁の方針に従っていくと強調し、「私たちは法に従うことを希求しており、そのように行動し続ける。昨日発表されたもの(編集注:米独共同宣言)は、そのことは全く変えない。私たちは、法を遵守し続ける」と発言した。

また同氏は、今回の米国とドイツのノルド・ストリーム2に関する合意の主な目的は、ウクライナをはじめとする同地域の米国のパートナー国に対して、ロシアがエネルギーを武器として利用するのを阻止することにあると強調した。

同氏は、「現政権は、ノルド・ストリーム2に反対している。それは、1月20日(編集注:バイデン政権発足時)でもそうであったし、7月22日現在においてもそうであるし、将来もそうであり続ける」と発言した。

その上で同氏は、ノルド・ストリーム2はドイツにとってもウクライナにとっても欧州全体にとっても「悪い合意」であると改めて形容し、だからこそバイデン政権は同プロジェクトに参加する19隻の船舶に対して制裁を科したのだと発言した。同氏は、「私たちは、そのパイプラインに反対し続ける」と指摘した。

これに先立ち、21日、米国とドイツは、独露間海底ガスパイプライン「ノルド・ストリーム2」に関する合意を発表した。同合意によれば、ロシアが同パイプラインをウクライナに対して武器として利用した場合には、ドイツが一国で対応する他、欧州連合(EU)に対して制裁を含めた効果的方策を採るよう要請することになる。

今回の合意につき、ウクライナとポーランドは、独露間ガスパイプライン「ノルド・ストリーム2」はウクライナや中欧全体に対する政治、軍事、エネルギー面の脅威を生み出すものであり、21日に発表された米国とドイツによるロシアのガスパイプライン「ノルド・ストリーム2」に関する合意はそれを止める試みを拒否するものだとして批判している。