ゼレンシキー大統領、年越しのあいさつ

動画

ヴォロディーミル・ゼレンシキー大統領は、12月31日、国民向けに2020年を総括し、新年を祝うメッセージ動画を公開した。

大統領府が動画を公開した

大統領のメッセージ動画は、子供たちと一緒にマルインシキー宮殿で撮影されたものとなっている。大統領の発言の際には、2020年に起きた重要な出来事の場面が映し出された。中には、イランでのウクライナ国際航空旅客機撃墜事件の犠牲者遺体のウクライナへの到着、中国武漢から帰還したウクライナ国民に対してノヴィー・サンジャリの住民の対応、サッカー・ウクライナ代表の決勝ゴール、COVID-19に対応する医師の姿、ゼレンシキー大統領の諸外国首脳との会談の様子などの映像が見られた。

大統領は、「今年はどんな年だったであろうか。今年、痛みからの涙が流れた。誇りからの涙もあった。恥ずかしいこともあったし、誇れることもあった。忘れたいこともあったし、絶対に忘れられないこともあった」と発言した。

大統領は、コロナ危機について、春にウクライナにて感染者が出始めた時、病院や薬局には多くの必要な物が不足していたことを指摘しつつ、「スーパーヒーローしか自体を救えないような、映画の中のような状態に私たちはあった」と指摘した。その上で、大統領は、2014年の時と同じように、2020年も、スーパーヒーローが存在することを確信したとし、軍人の他に、医療関係者もスーパーヒーローになったと発言した。

ゼレンシキー大統領はまた、ドンバスとクリミアについて「ウクライナへの平和の到来について、キーウ(キエフ)のバンコヴァ通り(編集注:大統領府のある通り)で話したいわけではない。ウクライナに平和が訪れたと、ドネツィク市のアルテマ通りで言いたいのだ。『クリミアはウクライナだ』とインターネットに書きたいわけではなく、ヤルタの砂浜に書きたいのだ。ウクライナのヤルタの、ウクライナの砂浜の、ウクライナの砂の上に」と強調した。

大統領は、ドネツィク、ルハンシク、クリミアは、現在異なる時間を生きており、1時間前に新年が到来していると述べつつ、「しかし、あなた方がもう約1時間にわたり、私たちと一緒に新年を迎えるために待っていることを私は知っている。一つの家族として、一つの民として、一つの国として。ドンバスとクリミアよ、時計の針を戻し、私たちと一緒にいよう! 準備はできているかい? 私たちも準備できている。私は、全てのウクライナ人に対し、新年の到来を祝う! 皆が健康でありますように。皆が幸せでありますよううに」と祈願のメッセージをウクライナ語とロシア語を織り交ぜながら伝えた。