ウクライナ・ポーランド両国大統領、共同声明を発出

ヴォロディーミル・ゼレンシキー大統領とキーウ(キエフ)訪問中のアンジェイ・ドゥダ・ポーランド大統領は12日、戦略的パートナーシップの性格を持つウクライナ・ポーランド関係の重要性を強調した。

両国大統領の共同声明がウクライナ大統領府のウェブサイトに掲載された

声明には、両国大統領が国際法と国際関係の基本原則への尊重を強調した上で、同時に、クリミア違法占領とドンバス侵略を止めるよう呼びかけている。

加えて、両者は、ウクライナの欧州連合(EU)関係の更なる深化を目的とした連携の準備を認め、10月6日の第22回ウクライナEU首脳会談の結果を肯定的に評価した。

ウクライナ側は、野心的な改革パッケージの実現、法の支配・汚職克服の強化という国家の方針が不変であることを認めた。ポーランド側は、ウクライナの制度改革へ更なるサポートを提供することを認めた。

両者は、EUとウクライナの深化した包括的な自由貿易圏の文脈で、ウクライナとポーランドの市場の機会を完全に利用することを目的とした経済協力の重要性を強調した。その上で、声明には、両国政府経済協力委員会の作業活発化が必要だと指摘されている。

エネルギー分野に関しては、両者は、エネルギー供給源の多元化の向上、同分野の透明性確保のために、地域と欧州全体におけるエネルギー安全保障の強化のために、同分野で更に協力することが不可欠だと強調した。

また、ポーランド側が、ウクライナと「三海洋イニシアチブ」の協力深化を支持したと書かれている。

写真:ヘンナジー・ミンチェンコ/ウクルインフォルム

両者はまた、過去の対立や20世紀の政治的弾圧の犠牲者への追悼の重要性を認めた上で、ポーランドにあるウクライナの遺跡、ウクライナにあるポーランドの遺跡の破壊行為を非難し、関連機関による保護を呼びかけた。

また、両者は、とりわけ国際義務と二国間協定にしたがった教育分野での両国の民族マイノリティの権利の保護が重要であるとし、ウクライナにおけるポーランド・マイノリティ学校とポーランドにおけるウクライナ・マイノリティ学校を機能させる基盤について、両国政府が別途協定で解決することになると指摘した。

その他、人文、文化面の協力の重要性が強調されている。

また、新型コロナウイルス感染症の世界的拡散が世界・地域の秩序に大きな影響を与えているとし、新しい挑戦・脅威を克服するために、国際協力を強化しなければならないと強調されている。

なお、ドゥダ大統領のウクライナ公式訪問は、10月11日から13日まで続き、キーウの他、オデーサも訪れる予定となっている。